医師も信じる医学的俗説
http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm?i=20071227hk001hk「健康のためには1日8杯水を飲むとよい」「人の脳は平均10%ほどしか使われていない」「暗いところで本を読むと目が悪くなる」などの話は、いずれも事実ではない。しかし、このような考えは依然として蔓延(まんえん)しており、医師でさえ信じる人がいるという。
米インディアナ大学医学部のRachel Vreeman博士およびAaron Carroll博士は、英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」12月22日号に掲載された報告で、このような医学的俗説の7つをやり玉に挙げている。その7つを取り上げたのは、それらが医師の口からも聞かれるほか、メディアでもよく使われているためだという。
同じような俗説に関するウェブサイトに関わっている米アーカンソー大学助教授Graham F. Greene博士も、脳の話は自分も信じそうになったと認める。また、「毛をそると濃くなる」との話も、自分の母親が言っていたのを聞いた覚えがあるという。この俗説は1928年以来、対照試験を行った研究で否定されているにもかかわらず、今も広く信じられている。
このほかの俗説として、「人の死後にも髪やつめが伸び続ける」といわれるのは、実際は死後皮膚が収縮するために、そのように見えるのだとVreeman氏らは説明する。また、「七面鳥にはトリプトファンが豊富に含まれるため、食べると眠くなる」といわれるが、実際にはそれほどのトリプトファンは含まれていないという。「七面鳥を食べるとき、一緒に飲むワインのせいだろう」とのこと。
この7つには入っていないが、「チューインガムを飲み込むと胃の中に7年間残る」などという俗説もある。Vreeman氏らは現在、100を超える医学的俗説に関する本を執筆中だという。
[2007年12月20日/HealthDayNews]