2007年12月20日木曜日

医師も信じる医学的俗説

医師も信じる医学的俗説

http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm?i=20071227hk001hk

 「健康のためには1日8杯水を飲むとよい」「人の脳は平均10%ほどしか使われていない」「暗いところで本を読むと目が悪くなる」などの話は、いずれも事実ではない。しかし、このような考えは依然として蔓延(まんえん)しており、医師でさえ信じる人がいるという。

 米インディアナ大学医学部のRachel Vreeman博士およびAaron Carroll博士は、英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」12月22日号に掲載された報告で、このような医学的俗説の7つをやり玉に挙げている。その7つを取り上げたのは、それらが医師の口からも聞かれるほか、メディアでもよく使われているためだという。

 同じような俗説に関するウェブサイトに関わっている米アーカンソー大学助教授Graham F. Greene博士も、脳の話は自分も信じそうになったと認める。また、「毛をそると濃くなる」との話も、自分の母親が言っていたのを聞いた覚えがあるという。この俗説は1928年以来、対照試験を行った研究で否定されているにもかかわらず、今も広く信じられている。

 このほかの俗説として、「人の死後にも髪やつめが伸び続ける」といわれるのは、実際は死後皮膚が収縮するために、そのように見えるのだとVreeman氏らは説明する。また、「七面鳥にはトリプトファンが豊富に含まれるため、食べると眠くなる」といわれるが、実際にはそれほどのトリプトファンは含まれていないという。「七面鳥を食べるとき、一緒に飲むワインのせいだろう」とのこと。

 この7つには入っていないが、「チューインガムを飲み込むと胃の中に7年間残る」などという俗説もある。Vreeman氏らは現在、100を超える医学的俗説に関する本を執筆中だという。

[2007年12月20日/HealthDayNews]

なぜいつの時代も人は昔はよかったと言うのか?

なぜいつの時代も人は昔はよかったと言うのか?
http://r25.jp/magazine/ranking_review/10004000/1112007122001.html

ホントに昔はよかったの?

「昔はよかったね~」。つい言いがちなこの言葉。たしかに『ALWAYS 3丁目の夕日』や『タイムスリップグリコ』など、昭和30年代を題材にした作品も多い。一方で『熱血!!コロコロ伝説』などの昭和50年代後半~60年代前半のカルチャーも人気を得ている。これは、団塊の世代も団塊ジュニア世代も昔を懐かしみ、「あの頃はよかった」と思っている証拠。

人はなぜ「昔はよかった」と言いたがるのか? 精神科医の香山リカ先生によるとキーワードは「不安」と「優位」だとか。

「年齢を重ねると、今の時代や若者についていけなくなるのではないかと不安になります。価値観や好みに違いがあると、それを否定したい感情と若さを失っていく不安が入り交じると思うんです。そこで自分が若かった時代の文化などを振り返って『あっちの方がよかった』とか『人間味があった』と肯定することで、不安から逃避しようしているんじゃないでしょうか。あとは、年輩者が若い人に対して絶対的に優位に立てるのは、彼らが知らない時代を体験しているということ。だから『昔はよかった』の一言で『オレはお前らが知らないいい時代や大変な時代を知ってるんだ』と優越感を感じる一面もあるかもしれません」

なるほど、香山先生の言うように、年輩者は主に「不安」から昔を懐かしむために、若年者は「優越感」を得るために「昔はよかった」と言うことが多いような気が。

ちなみに、F・デーヴィス著『ノスタルジアの社会学』によると、これはどちらも「アイデンティティの連続の確保」にも関わることだという。簡単に言うと、人は、今の自分を肯定するために、過去の自分を肯定しようとする心理が働くのだとか。

とはいえ、香山先生によると「昔を懐かしむのはいいけれど、それが今の自分の否定になると不健康な状態」とのこと。今生きてるこの瞬間を大事に、たまに人生のスパイスとして昔を思い出すくらいがちょうどいいようです。
(コージー林田)2007.12.20