2015年9月20日日曜日

ダイヤトーンDS-3000人気化か-「けいおん!」澪フォンAKG K701再び!?

京都アニメーションが制作し、当時のDVD/BD売上記録を作ったアニメ「けいおん!」。
その作品内の主要キャラクターがAKG社の当時の最高級フラッグシップヘッドホンK701を使っていて社会現象になるほど大人気化した。ニュースで品薄であることが報道されるほどで、当時は2~3ヶ月から数ヶ月待ち、価格も高騰し8万~10万円越えしていた。

オーディオブーム(1970年代から80年代初め)が去ってから、どれほど優れたオーディオ機器でもオーディオマニアの範疇を超え、一般に人気となることはなくなっていた。
それが大人気アニメで使われると、社会的なブームとなりニュースで報道されるほどになる、アニメの影響力がすごいとまざまざと見せつけられた。
オーディオマニア(現在は違う。生活に追われていてそれどころではない)の私にとって、もう一般人は絶対にオーディオに興味を持たないし欲しがらないと思っていた。強固な常識として認識していて、それが打ち砕かれ大変驚いた記憶がある。


今回はテレビアニメで大人気になり、劇場映画化されたA-1 Pictures制作の「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」スタッフによる新作アニメ映画、
『心が叫びたがってるんだ。』
でかつて日本のもっとも主要なスピーカーメーカーだったDIATONEの、かなりの上位機、4ウェイのDS-3000が映画内で使われている。しかもハッキリ、描かれている。
魔法で言葉がしゃべれなくなった女生徒の主人公がミュージカルをやることになった。音楽好きで楽器演奏や作曲ができる男子学生が(自宅の?)音楽演奏場(?)でピアノを弾いて聴かせている。
そのシーンでダイヤトーンのDS-3000が大きく描かれている。
DS-3000は1984年発売でステレオペアなら定価52万円。ダイアトーンのスピーカー、特に多数のマルチウェイ(3ウェイ、さらに4ウェイと増えていく)になるに従って広い空間が必要で、必要な部屋より小さいと音がまとまらなかった。
アニメで描かれた部屋は一般人では絶対に持てないほどの広さだったがDS-3000だとあれでも小さい。ダイヤトーンのマルチウェイは部屋が小さいと音がまとまらない(まとまってもB&WとかBBCモニターとかアメリカを中心とする欧米の“ハイエンド”スピーカーと比べると…ちょっと……ね)。
あまりにも空間をとりすぎるのがダイヤトーンの困ったところだった(その理想的な状態でも先に挙げた欧米の優れたスピーカーと比べるのはちょっと酷だ。日本のスピーカー=ダイヤトーンといえるほど圧倒的存在だったが、そもそも日本のスピーカーの評判が内外ともにあまり高くない。
ダイヤトーンのNHKモニター、2S-3003と2S-1601だけは全く別。完全な別格で破格の出来。そもそもあれだけできるのになぜ他がああならないのか。NHKモニターの出来栄えなら日本のスピーカーはすごいという国内外の評価になったはず。NHKモニターは海外で販売してないと思う)。

「あの花」は大人気になり、とっくの昔のアニメなのにいまだに聖地巡礼で秩父に作品のファンが訪ねている。
同じスタッフで制作された『心が叫びたがってるんだ。』も大人気になるだろう。
そうなればまた作品内で使われている特定の機種が人気になるのではないかと思う。
手放そうと思いつつ、所有している人は今からきれいに掃除して、ブームになったら売却すれば高値で手放せるのではないか。オーディオショップも力の入れ時だろう。
事実、映画の宣伝の30分特番が深夜に放送されるとすぐにオタク系画像掲示板の家電板や二次元系(アニメ、マンガ系)板に投稿され、機種を特定したり質問されたりした。

かつて完全に撤退し、別の会社の三菱電機エンジニアリングで1機種だけ復活したダイヤトーン。
その後、カーオーディオや三菱のテレビのスピーカーとしても復活している。
イギリスのスピーカーメーカーで倒産したロジャースも復活してから時間が経っている(確か中国で。会社全体が中国にあるのか、工場が中国なのか忘れた)。長らくよくわからない状態だったオーラトーンもつい最近復活した。
ブームになったらダイヤトーンがどうなるか気になるし楽しみだ。