トースターで大量にもちを焼き、黒こげになって火が点いていた。
警報機が「火が点いてませんか、火が点いてませんか」と巨大な音量で警報を鳴らし続け、母が叫び声をあげて私を呼んだが、『まだ(もちに)火が通ってない』とか『(火がついて燃えてるもちを)何とかしてーっ!』と金切り声をあげていた。
消えにくく、燃えて炭になったものが台所中に散らかってやっと消したら、火がついて火事になりそうだったことなどまるで覚えていないようでNHKの大相撲を見始めて「たかけんしょうは貴乃花の弟子」とか、火がついたのを懲りずにまたもちを焼き始めあんこもちを作って食べていた。
信じられない。
もちが大量に入っていて、真っ黒に焦げていてそれらが燃えているので手で何とかできる火力ではなかった。餅を焼きすぎて網から溶け落ちて電熱棒を包むような状態になっていた。もう火が点いているし、もちなので粘ってくっついてはがれない。トースターの天面に火が点きトースターの上まで火が上がっていた。天井まで火が届いていた。キッチンペーパーや在庫してあるラップやタッパーなどに火がつくかと思った。
トースターを使っていて熱いというのと、火が点いて熱いという両方で触れないので雑巾を持ってきてトースターを支えながら大量に燃えているもちを引きはがそうとしたが、熱さと火力の強さでトースターが火がついたまま落ちた。
水をかけて消そうかと何度も思ったが、電気製品だからショートしてかえって危ないかと思って出来なかった。奥側にコンセントがあるので自分に火がついてもいいのならコンセントから外せるがそうなると自分に火がつくと同時にカーテンに火がつき、使っているキッチンペーパーや在庫のビニール袋に入っているキッチンペーパーに火がつくのは目に見えていた。もうそうなると絶対消せないのは明らかだった。水をかければ角度的に絶対コンセントに水がかかり、そのうえ密集しているレンジやら電気製品に水がザバーッとかかってショートして発火するのは目に見えていた。
1年くらい前から食パンと餅は真っ黒焦げか火がつくことが多い。それでも火が通ってないとか、火が通ってないと「寄生虫が」「生だと危ないから」とか言ってやめない。肉や魚じゃないんだから生とか寄生虫とかいったい何言ってんの?と何度も怒鳴りあいになったことも多い。保温しているご飯も何度も「炊飯」ボタンを押す。注意すると炊飯器のボタンが移動して変わってしまったので私は間違ってない。炊飯器のボタンが悪いと言い張り絶対反省しない。今日もまたごま油ときな粉を買ってきた。同じ物だらけ。しかし、『自分で頭がおかしい、ボケてると思ったら自分で行く!てめーに申し渡しておく』とどなり散らすようになって何年もたっている。もうすでに今年が何年なのか、今が何月なのか分からず同じものを買い続けているが、自分で覚えていない。たまごも多い時で10パック、マヨネーズも最大で26本買い続けて冷蔵庫に入っていたことがある。TVのリモコンや腕時計が冷蔵庫に入っていたり、排水溝の掃除をして髪の毛を入れて捨てておいた袋が冷蔵庫に戻されていたり、まともじゃない。まともじゃないが、本人は覚えていない。
ゴム手袋は多すぎて整理タンスの一つの棚だけでは入りきらない。数十双なのか何百双なのかわからない。(双(そう):手袋の数え方。2つで1セットなので双(そう)と数える。1組なら1双。相手に伝わらなそうなので普段は1組と言うようにしている)
芸能人の死も石原裕次郎と美空ひばりだけは覚えているがどんなに有名な人でTVでしばらく特集番組ばかりになったくらいの人でも覚えておらず、故人特集を見るたびあの人死んだって!!と騒ぐ。30年ぐらい前に死んだ笑点の最初期の太った司会者が死んだことや、死ぬと名前が引き継がれるお笑いや伝統的な芸能の人も3代か2代前の人が死んでいたことを知るたび騒ぐ。え!?昭和天皇亡くなったんだ!次の元号なんなの?どうなんの?とか言うし。
火事のことを怒鳴ったが、『まったく何のこと言ってんの、キチガイ?(精神病院連れて行こうか。コイツ頭狂ってんな)』といった感じで記憶にもなさそうだし一切悪びれてなかった。ケアマネージャーに電話済み。明日緊急で来てくれる予定。
数年ぶりにいっさい行かなくなっていたオーディオイベント行ってみようかと思っていたのに。
これは一瞬たりとも離れられないね…。