2009年3月28日土曜日

抗うつ薬が性機能だけでなく「恋愛能力」にも悪影響

Antidepressant is bad influence in sex function and ability for love.
Antidepressants May Thwart Quest for True Love.

最近、抗ウツ薬を、幸せになれるハッピードラッグ、(気持ちを高めるんだから)性感を高める気分高揚、脳覚醒作用のある薬と勘違いして、お手軽な『幸福気分製造機』のような気持ちで服用することが増えているそうだ
しかし、『鬱を治すんだからハイになれる』と思うのは勘違いだ

昔から性機能と性欲求が低下するのは有名な話

欝病治療薬に付いて回る、ほぼ確実に起きる副作用が性機能低下なのは自明のことなのにおろかなことだ

女性の場合、セックス不感症の場合など逆に性行為がうまくいくようになることがあるが、私の予想では意識がある人でも無意識の人でも、性への嫌悪感や罪悪感、生殖器への刺激が生々しすぎ拒絶していたのが薬で感じにくくなることから恐怖感が減って性生活を楽しめるようになるからなのではないかと思っている

抗うつ薬:性機能だけでなく「恋愛能力」にも悪影響の可能性

http://wiredvision.jp/news/200903/2009030323.html
2009年3月3日
サイエンス・テクノロジー
Brandon Keim
Photo credit: Brent Moore/Flickr

抗うつ薬は、性機能に副作用をもたらすことが知られているが、さらには愛や恋といった人間の基本的感情までも抑制している可能性があるという。

最も一般的な抗うつ薬である選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)は、性機能障害を引き起こすことがよく知られている。SSRIを摂取している米国の成人3100万人のうち、約30%が性機能障害を経験しているとみられる。

ところが新たな説によって、この抗うつ薬は、愛や恋にも微妙な化学的変化をもたらす可能性が指摘されている。SSRIは、本当なら恋人になるはずの2人が最初に散らす恋の火花を消し、さらには恋人同士が絆を深めることを妨げるのだという。

「SSRIが、恋に落ち、その状態を維持する人間の能力を鈍らせる可能性は十分にある」。恋愛を現代科学として研究する分野を開拓したラトガース大学の生物人類学者、Helen Fisher氏はこのように話す。


むろん、深刻なうつ病を治すためなら、性機能への副作用も仕方がないというケースもある。しかし抗うつ薬が、完全な臨床的うつ病の範囲を越えて、不安や、時には不眠症などの障害にまで広く処方されることが増えている今、恋愛を妨げる可能性が指摘されていることは厄介な問題だ。

SSRIは、気分に作用する神経伝達物質セロトニンの血中濃度を高めることでうつ病に効果をもたらす一方で、性的欲求を抑制させる。SSRIはまた、広範囲な認知や行動のプロセスにかかわる神経伝達物質のドーパミンを減少させる。こうしたプロセスには性的欲求や性的興奮も含まれるが、最近の研究では、このドーパミンが恋愛にも関与している可能性が示唆されている。

セックスの最中にはさまざまなホルモンが分泌され、それらは脳内に恋愛感情をはぐくむ上で重要な役割を果たしているとみられる。そのため、セックスをしなくなると、恋愛感情も衰えていく可能性がある。しかし、Fisher氏とバージニア大学の精神科医James Thomson氏によれば、それは問題の一端に過ぎないという。

恋愛や愛情は、性愛やそれがもたらす効果に影響を受けるが、究極的には性愛とは別物だというのがFisher氏の見解だが、ドーパミンはこの恋愛においても、神経生物学的に大きな役割を果たしているとみられる。そのため、[ドーパミンを減少させる]SSRIは性機能障害を引き起こすだけでなく、恋愛そのものも阻害する可能性がある、とFisher氏とThomson氏は主張する。

「人間の脳には、恋愛や、恋愛にかかわる魅力に関与するさまざまな無意識のシステムが存在する」とThomson氏は言う。「抗うつ薬が、当人に意識される形で性機能に副作用をもたらすのなら、当人に意識されないような副作用が起こっても不思議ではない」

Fisher氏によれば、人間の脳には恋愛に関与する3つの独立した、しかし互いに連絡しているシステムが存在するという。1つはセックス、1つは愛情、1つは恋愛に関連するシステムだ。

(2)へ続く

WIRED NEWS 原文(English)