2009年3月9日月曜日

カフェインの皮膚ガン抑制メカニズムが解明される

カフェインによる皮膚癌(がん)防御メカニズムが明らかに(2009.3.9掲載)

http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=1748&Itemid=37

過去の研究で、カフェインによる皮膚癌(がん)の防御効果が示唆されているが、新しい研究でそのメカニズムが明らかになった。

米ワシントン大学(シアトル)皮膚科准教授のPaul Nghiem博士らは、実験室レベルで紫外線に曝露されたヒトの皮膚細胞に対するカフェインの影響を検討。その結果、カフェインは、紫外線によってダメージを受けた細胞内で、損傷した細胞の自己破壊を引き起こすATR-Chk1と呼ばれる蛋白(たんぱく)を阻害することが判明した。損傷していない細胞に対しては影響を及ぼさないという。

Nghiem氏は「ATRは急速に増殖する損傷細胞に不可欠だが、カフェインは、特に癌化する可能性のある損傷細胞を標的とする。カフェインによって、一定の紫外線を照射後、通常は死滅する損傷細胞数が2倍以上になる。これが、カフェインの経口摂取により長年観察されていた現象を説明する生物学的メカニズムである。ただし皮膚癌予防のためにコーヒーや紅茶の量を増やす必要はない」と述べている。

カフェインを直接皮膚に塗る実験も実施されており、Nghiem氏は「マウスではカフェインにより皮膚癌の発現が72%抑制されたが、ヒトでの研究はこれからである。将来的に、皮膚癌予防に局所カフェイン製剤が開発される可能性はある。カフェインには日焼け止め効果もあり、日焼け止め製剤にカフェインを加えることは理にかなっている」としている。研究結果は、米医学誌「Journal of Investigative Dermatology(研究皮膚科学」オンライン版に2月26日掲載された。(HealthDay News 2月26日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=624502