2010年11月29日月曜日
マーチンローガンからコンデンサー型スピーカー「CLX art」ほか新製品ラッシュ
MartinLoganは新製品ラッシュとなっている。
■Reserve ESL Series から
CLX art
Ethos
Theos
の3製品が新登場する。
CLX art は全帯域ESL/エレクトロスタティック型(コンデンサー型)となり、ウーファーパネル部と中高域のパネル部構成の2ウェイスピーカーになる。クロスオーバーは360Hzで、重量50 kg、サイズは178.6cm × 65.4cm × 37.3cm、ペアー価格で最低 22,995ドルからとなっている。周波数特性は56~23,000 Hz ±3dB。
以前、CLX 25th Anniversary と CLX のふたつのラインナップがあったが CLX 25th アニバーサリーは発売からそれほど経たずに売り切れ、CLX 1機種のみをラインナップしていた。
CLX も発売されてそれほど時間がたっていないが今回モデルチェンジした。
インピーダンスは6Ωとなっているが、コンデンサー型らしく高域でインピーダンスが落ち20kHzで0.7オームまで落ちる。
マーティンローガン社のデビューはコーン型ウーファーとのハイブリッド型2ウェイ機で、確かモノリス/Monolith だったと思う。183センチくらいの高さの大型2ウェイフロアー型だった。
マーチンローガンがデビューしたころの1ウェイフルレンジESL型の初代 CLS は、正式に公表していなかったものの高音域・20~24キロヘルツあたりで0.08オームまで落ちる特性でほとんどのアンプが駆動できなかった。
見た目の印象や写真から受けるイメージと違い、意外と背が低く150センチもなくて146センチくらいしかなかった。立ってしまうと高音域も中高音域も指向性から外れてしまうため全然聞こえず女性ボーカルだと何を言っているのか聞きとれなくなるほどだった。
横幅はもっと狭く、縦はもっと高くしてほしいと何度も伝えたがサイズは変わらなかった。欧米ではアーシシー(つづりは確かACCI)のスピーカースタンドと組み合わせて使うことも人気だった。ほかに QUAD 社のESL型スピーカー用のアーシシー製専用スタンドの組み合わせも人気があった。記憶に薄いが正規の付属品が華奢だったためアポジー アコースティック社のリボン型スピーカーの脚部をアーシシーに変えるのも欧米の一部の人に流行ったはずだ。Apogeeの純正の脚(脚というかスパイクのついたただのアルミ棒、またはアルミ板といったほうがいいが)を変更できるよう専用の製品があったのはサウンドアンカー社だったかもしれない。
話を戻すとマーチンローガンはつないだだけでアンプがケーブルのショート(短絡)と判断して出力をカットして音が出なくなったり、出力段を切り離さない場合はアンプが壊れたりすることも多かった。
その後の CLS シリーズの新製品の改良は、ほぼショート状態といえるインピーダンスの低さの改善も考慮された。
CLS II、CLS IIa は高域22kHzで0.8オーム、最終型 CLS IIz では1.8オームまで改善したと非公式に聞いていた。現在のメーカーサイトでは CLS は相変わらず非公表、CLS II、CLS IIa は20kHzで1Ω、CLS IIz は1.5Ωとするデータを掲示している。多少違っているがアンプが大変なのは変わらない。
CLX art が発売される前のプレミアム限定版 CLX 25th Anniversary は20kHzで0.7オームとなっており新製品の CLX art もほぼ同じインピーダンス特性のようだ。
Ethos は20センチアルミニウムコーン型ウーファーとの2ウェイ機で、クロスが375Hz、重量19 kg、寸法が150.7cm × 27.3cm × 46.3cm、ウーファーのアンプ出力が200ワットと書いてあるのでウーファーはアクティブ型だろう。底部にドロンコーンが付いている。価格は6,495ドル。f特は34~23,000 Hz ±3dB。
Theos は20センチアルミ製コーンウーファーとの2ウェイ機で、クロスが425Hz、重さ19.5 kg、寸法150.7cm × 27.3cm × 47.8cm、2011年発売予定で価格未定、f特は43~23,000 Hz ±3dB。ウーファーのアンプ出力の表記がないのでパワードウーファータイプの Ethos の通常版/一般的なパッシブ型バージョンが Theos だろう。ドロンコーンではなくバスレフタイプなので違うと言えば違う。
いずれにしてもESL型はほとんどの場合静電パネルを帯電させるために電源が必要なのでコンセントを使うことになる。
■ElectroMotion Series が登場
告知しているが未定・不詳、カミングスーン(間もなく登場)となっている。製品コンセプトが書いてある。
■Motion Series から
Motion FX 13センチウーファー搭載
Motion C 10センチウーファー搭載
の2機種が新製品で出る。
Motion SeriesのページにFolded Motion Tweeterというツイーターの解説が載っているのでそれが売りだろう。Folded Motion Tweeterと表記しているが、置いてある動作原理の絵を見る限りハイル型/ハイルドライバー(Heil Driver)/AMTドライバーだろう。
http://www.martinlogan.com/motionSeries/index.php
ハイルドライバーなら日本のTakeT(テイクティ)とかADAM(アダム)社などでも採用されている。ESS やヘッドホンのエルゴのThe ERGO A.M.Tなどある。ちなみにヘッドホンのエルゴはどれが社名なのか、社名とブランド名があるのか、社名を変更しているのかいないのか、どれが製品名で、どれが機器の愛称でどれが機器の正式名称なのかよくわからない。
アダムでは搭載しているハイルツイーターのことをARTツイーターと名付けている。
http://www.cfe.co.jp/adamaudio_ca/technology.html
ハイルドライバーの問題はハイルドライバーそのものより組み合わせるほかの方式のユニット、一般的なコーン型やドーム型ユニットとのまとめ方のほうだ。リボン型のほうがよっぽどまとまって聴こえる。プラズマ/イオン型よりちぐはぐに聴こえることも多い。
サイトを見る限り Motion FX は小さいうえデザインから家庭でのシアター/マルチチャンネル用に見える。
Motion C のCはセンタースピーカーの「C」だろう。