2008年6月16日月曜日

30bit NTSC比133%世界初一般向け液晶-映画会社ドリームワークス仕様で発売



PC用ディスプレイで表示可能な最大同時表示色数は約1677万色となっているがHPが民生用に発売するDreamColor LP2480xzは10億色となっている

内部処理で8ビット処理以上をしているメーカーが多くなってきているが、内部処理が10でも12でも14ビットでもPC用ディスプレイではパネルが実際表示しているのは1677万色だ
内部処理が対応しているのに画面の表示を制限しているのはPCやMACの入出力のDVIやHDMI端子でのやり取りが各色8ビットであるがほとんどだからだ

そのため、同時表示色数としては10億色やそれを大きく凌駕する兆単位の表示色数を可能にしている機種もあるテレビと比べ数値上は大幅に見劣りする

カタログ上の数値であり、現実に確実に表示できているか疑問もあるのでカタログスペック上の物理特性にだけこだわり一喜一憂するのはバカらしい

アニメ制作会社として非常に有名なドリームワークス社と共同作業で作り実際使っていたディスプレイを民生向けに売り出したことは興味深い

パネルもIPSということで、価格より性能重視ということになる。そのためIPSより安価なVAやTNは選択しなかったようだ
Super IPSということなので最高性能だが値段も一番高い日立製ではなく韓国製のS-IPSではないかと思う

輝度は輝度は250cd/平方mということで『どうということもない』『やや劣る』という感想を持つ人が多いと思われるが液晶やプラズマは目には明るすぎるので問題ない
勘違いしている人が多いが実はブラウン管方式より液晶やプラズマはかなり明るい
しかもsRGBなどでは厳密には輝度も規格があるので80cd/平方mを目標に設定されるのが本来だ
きわめて厳密にカラーマッチングやカラーデザインするにはもっと暗く50cd/平方m前後にするとのことなのでLP2480xzを使うような人や、使う必要がある用途ではデフォルトより暗くして使うであろうから250cd/平方mということを気にする必要はまずない

喜ばしいことにHDMI規格よりさらに大容量のデータのやり取りが出来る最新の規格、DisplayPortに対応している
対応製品はほとんどないがデルのディスプレイや一部のグラフィックボードメーカーが対応機種を発売し始めている
HDMIも現在最新のバージョン1.3に、DisplayPortはバージョン1.1に対応している
なぜか最高級機ではないないづくしになりがちな接続端子もインターフェースとしてほかにDVI-I、コンポーネント、Sビデオ、コンポジットとほぼフル装備だ



今後明らかになると思うがこの機種のHDMI 1.3に関してはもう少し情報が必要と思う

  • ウィキペディアより
    HDMI 1.3では広色域規格「x.v.Color」や、8bit超の色情報を扱える「Deep Color」などを定めているが、これはオプション仕様でありバージョン番号だけでは対応の有無が判別できない。他にも同機能でメーカーごとに呼称が違っている問題も発生していた。

  • 「HDMI 1.3対応」だけでははダメ - HDMI licensingがガイドライン
    http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0710/17/news071.html
     HDMI対応機器における用語を統一するためのガイドラインを発表。HDMIのバージョンを表記する際には、含まれる機能を明記することが求められる。

     仕様としてはDeepColorやリップシンクに対応するバージョン1.3aまでが策定されているが、これはあくまでも技術仕様のナンバリングであり、メーカー側は製品の狙いに応じて各種機能を取捨選択して実装できる(バージョンナンバーが明示的に含まれる機能を示すわけではない)。そのため、現時点では同じく「HDMI Ver1.3」と表記された製品Aと製品Bで対応機能が異なるという状況が起こっている。

     新たに施行されるガイドラインでは、HDMIのバージョンナンバーを表記する際、その製品が対応しているHDMIの機能を併記することが要求される。DeepColor対応機器の場合、その表記方法は「HDMI(Ver1.3 DeepColor対応)」となり、「HDMI Ver1.3対応」のようにバージョンナンバーのみを製品特徴として記載・使用することは認められなくなる。

     また、DeepColorについては「ディスプレイで8ビット超のカラーデータを表示できること」、x.v.Colorについては「ディスプレイでsRGB以上の色域表示が行えること」という技術要件もガイドラインでは定められた。

     ガイドラインはケーブルにも及んでいる。ケーブルは「Standard」もしくは「High Speed」(HDMIの技術仕様上はカテゴリー1ないし2)と表示することが推奨されている。Standardは74.25MHz、High Speedは340MHzでの信号伝送試験にクリアしたことを指し、1440pなどより高い解像度信号を扱う際にはHigh Speedケーブルの利用が推奨される。

     このガイドラインは10月16日付けで全世界で効力を生じるが、関連メーカーには1年間の猶予期間が設けられており、2008年10月16日以降に出荷開始されるHDMI関連製品ならびにパッケージ、資料、説明書、販促資料などはガイドラインに沿った表記を求められることになる。

  • HDMI 1.3
    http://plusd.itmedia.co.jp/lifestyle/articles/0607/14/news112.html
     HDMI 1.3は、従来のHDMI(~1.2a)に比べて帯域幅を2倍以上に拡大した点が大きな特徴だ。具体的には、シングルリンク帯域幅を従来の165MHzから340MHzに広げ、伝送容量は4.95Gbpsから10.2Gbpsへと高速・大容量化した。これにより、解像度やリフレッシュレート、色深度など画質面の優位性が増す。

     解像度では、1920×1080ピクセルを大きく上回る2560×1600ピクセル(WQXGA)までをカバー。テレビなどの民生機ではオーバースペックともいえるが、PC用ディスプレイを考慮すると重要なだという。たとえば、現在は情報量の多さからデュアルリンクDVIを使用しているアップルの30インチ「Cinema Display」やデルのWQXGAディスプレイなどが1つのインタフェースで接続可能となり、「機器のコスト削減に繋がる」(同氏)。またリフレッシュレートは最大120Hzをサポート。チラツキのない画面でゲームなども快適になるという。

     色深度は、現在の24bitカラー(1677万色)を48bitまで拡張できる。「数百万から数十億色まで向上した色深度は、より滑らかな画像と高いコントラスト比を実現する」。

     色といえば、ソニーが提唱する次世代カラースペース「xvYCC」【2008年現在、ソニーにより愛称ともいえる通称はx.v.Color】をサポートしたことも大きなトピックだ。カラースペースとは、表示または人間が知覚することのできる色の範囲を示したもの。従来のNTSCでは「自然界にある色のほんの一部だけ」が含まれていたが、xvYCCにより人間が知覚できる色のすべてを包含できることになる。


http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0616/hp2.htm
【Connecting Your Worldレポート】
HP、30bit表示に対応した世界初の一般向け液晶「DreamColor」

DreamColor LP2480xz

6月10日(独時間)発表

 米Hewlett-Packard(HP)は10日(独時間)、RGB各色10bit表示に対応した世界初の一般向け液晶ディスプレイ「DreamColor LP2480xz」を発表した。米国ではすでに出荷開始されており、価格は3,499ドル。日本でも近々発表が予定されている。

 同社は、映画スタジオであるDreamWorks Animationと長年協業しており、「シュレック」などの制作においてHPのサーバーやワークステーションが用いられている。今回、DreamWorksからHPに働きかける形で、コンテンツクリエータ向けの液晶ディスプレイを製品化することになった。

 一般的な液晶はRGB各色8bitの階調を持ち、約1,677万色を表示できる。これに対し、DreamColor LP2480xzはRGB各色10bitの階調を持ち、約10億色の表示が可能となった。内部LUTは各色12bit、色域はNTSC比133%で、Adobe RGB/sRGBを100%カバーし、映画制作のような色表現に敏感な作業にも完全対応できるとしている。また、バックライトにはRGB LEDを採用し、黒のしまりも従来機の4倍あるという。

 サイズは24型で、最大表示解像度は1,920×1,200ドット(WUXGA)、輝度は250cd/平方m、応答速度は12ms(中間色6ms)、コントラスト比は1,000:1、視野角は上下/左右とも178度。駆動方式はSuper IPS。

 インターフェイスは、DVI-I×2、HDMI 1.3、DisplayPort 1.1、コンポーネント、Sビデオ、コンポジット。なお、10bit表示はHDMIとDisplayPortのみが対応する。本体横に操作ボタンがあり、色空間、輝度、色温度などを切り替えられる。

 本体サイズは565×254×425~525mm(幅×奥行き×高さ)、重量は12.5kg。

□関連記事
【6月11日】HP、今秋以降発売の新製品を一堂に発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0611/hp.htm
【2006年1月9日】【西川】[CES特別編]「最新映像エンジン事情」
~ DLPも透過型液晶もLCOSもすべてRGB-LEDに(AV)
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20060109/dg61.htm

(2008年6月16日)

[追加]
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20080617/hp.htm

 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は、PC用液晶ディスプレイとしては初という30bit対応のパネルを採用し、LEDバックライトなどを採用したプロ向け24型ディスプレイを6月19日に発売する。直販価格は399,000円。

 規格についてドリームワークスのCEO兼ディレクターであるJeffrey Katzenberg氏は「我々はTHXが正確に音を再現しているように、視覚的な正確さを実現する製品を望んでおり、その解決策をHPに求めました。きわめて単純なことですが、映画の最初から終わりまで、色が同じであるに越したことはないのです」とコメントしている。

 色域のプリセットそれぞれに対してガンマ調整も可能。HP DreamColorエンジンを用いて、理想的な特性に補正する。
 フレームレートは24/25/30/48/50/60fpsをサポート。バックライトにはLEDを使った「Tri-Color LED」を採用。NTSC比133%、Adobe RGB比131%、sRGB比153%、DCI比122%という広色域を実現している。コントラスト比は1,000:1。最小黒レベルは0.05cd/m2。バックライトは40~250cd/m2間で調整可能。



 アニメ制作やビデオ編集、写真など、用途に合わせて「Adobe RGB」や「sRGB」、「DCI-P3 emulation」、「Rec.709」などの業界規格の色域をプリセット。同じくHP DreamColorに対応したプリンタを組み合わせることで、ディスプレイに表示された色と、プリントアウトされた色の一貫性が高められるという。また、LP2480zx専用に調整された別売の「HP Advanced Profiling Solution」を用いて、ハードウェアキャリブレーションも可能。高度な調整が手軽に行なえるという。

□製品情報
http://h50146.www5.hp.com/products/workstations/monitors/lp2480zx/

(2008年6月17日)


今回の製品で一番画期的だと思うのはパソコン用途として非常に珍しいリフレッシュレートが変更できることだ。世界初と謳ってないので初めてではないのかもしれないが、自分ははじめて見た
『リフレッシュレートの変更をグラフィックドライバからできている』という人も多いかもしれないがディスプレイの接続部が違うレートで受け取れていても、パネルの書き換えは60Hzとなる
メーカサイトより
動画編集に適した可変リフレッシュレート
パネルのリフレッシュレートは、47.0~51.0Hzまでと58.72~61.46Hzまでの間で可変長性が可能。これによって、映画の24fpsやNTSCの50fps、PAL6の60fpsなどをネイティブ表示することが可能です。

パネルが8ビットよりも表示能力があったとしても色数が24ビット1677万色なのはやり取りするすべての段階で10数ビットに対応していないと意味がないからだ
それどころかどういう丸め処理が行われるかわからないので「きれい」どころかメチャクチャな表示になってしまう可能性が高い



だからほとんどの製品の「内部処理が8ビットより多い」という製品は、1677万色に落とし込む丸め処理で誤差が少なくなるよう、8ビットの表示でもきれいに見えるようにということで搭載されているので今回のようにパネル自体が10ビット以上のハイビットと意味合いが異なる

今回は入力された色をなるべくそのまま出すというコンセプトになる

これからはこういったアプローチの製品がハイエンドでは多くなるだろうと思う
新しいトレンドを切り開いたと言えるだろう