2008年10月7日火曜日

B-CAS廃止が決定?

勘違いが多い人なので今の時点で確信が持てないが、ダビングテン(コピーダビング9回+最後に移動ムーブ1)とセットと言っていいB-CASが廃止となるそうだ

単純に廃止したからといって独占禁止法違反の事実は消えないため、吠えない番犬と言われている(税金を使っているので、ただ『役立たず』と言っていられる問題ではない。給料もらって肝心な仕事をしてないということになる)公正取引委員会がキチンと告発できるか注視する必要がある
NHKが出資している株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(B-CAS社)が告発された暁にはNHKにも捜査が及ぶことを望む
そうでないと、全容は明らかにならない
32:セイラ・マス(山口県):2008/07/09(水)07:15:35.77 ID:ReVMB7A10

株式会社ビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ
http://www.b-cas.co.jp/company.html
役員(2008年6月末現在)
代表取締役社長 浦崎 宏(元NHK総務局長、元NHK静岡放送局局長)
代表取締役専務 吉永 弘幸(元WOWOW常務取締役・放送・事業統括本部長)
取締役 鏑木 耕二(元東芝)
取締役(非常勤)森 茂雄(NHK視聴者サービス局長)
取締役(非常勤)奥村 直司(松下電器産業株式会社)
取締役(非常勤)田胡 修一(株式会社日立製作所コンシューマ事業グループ コミュニケーション・法務部部長/JEITA)
取締役(非常勤)関根 太郎(不詳)
取締役(非常勤)岡本 光正(株式会社東芝執行役常務)
取締役(非常勤)加藤 武夫(株式会社BS日本取締役)
監査役 吉田 朗
監査役(非常勤)宮本 敦浩(不詳)
監査役(非常勤)佐藤 和仁(WOWOW取締役IR経理担当)

今の状況ではメーカー製のテレビパソコンでは著作権団体との係争を恐れて一切、編集できないことが多くて困る
テレビ局も考えたもので別々の番組なのにEPG上では一つの番組にして対策(?)した番組編成を行い、ユーザーとしては迷惑である
特に分割も編集もできないメーカー製TVパソコンだと致命的に使いづらい

自分でテレビボードや外付けテレビ機器を買ってくると編集がある程度できるのに、テレビパソコンだと録画してそのままディスクに書き出すだけ
左右のマスクバーをカットして少しでもファイルサイズを小さくしたいとか一切できないのは迷惑だし、テレビ番組もTVPC製造メーカーも嫌いになっていく

HDDレコーダーでは編集できるのに、テレビPCだと編集が一切できない不便さはパソコンメーカーはよく分かっているはずだ
それでもその機能をなくして販売しているのは、著作権団体がよほど強硬な態度だからと想像がつく

池田信夫の「サイバーリバタリアン」
第37回

「第5権力」としてのウェブ

http://ascii.jp/elem/000/000/177/177381/

2008年10月07日 09時00分更新
文●池田信夫/経済学者

■B-CASをつぶしたウェブの世論

年間100億円近い売上を誇るビーエス・コンディショナルアクセスシステムズはいったいどうなるのだろうか?

 総務省の「デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会(デジコン委員会)」は9月26日、地上デジタル放送のB-CASを見直すことを決めた。6月にまとめられた第5次答申では「消費者や権利者の立場からB-CASについてさまざまな指摘が行なわれた」ことを理由に廃止の方向を打ち出している。放送局も反対していないので、B-CASの廃止が事実上決まった。

 B-CASがなくなると、ダビング10の信号は受信機で無視できるようになるので、これをどうするかが焦点だ。デジコン委員会の村井純主査(慶應義塾大学教授)は「技術と契約」で対応する方針を示した。しかし、法律で強制しない限り、ダビング10に対応するかどうかは受信機メーカーの自由だ。国内メーカーが(放送局の圧力を恐れて)ダビング10を採用しても、海外メーカーが「ダビング10なし」を売り物にして乗り込んでくる。ダビング10も実質的に廃止(任意の規格)にするしかないだろう、というのが関係者の見方だ。

 デジコン委員会では、これまで一貫して放送局・権利者団体の意向にそって審議が実施されてきたが、ウェブではB-CASに反対の意見が圧倒的だった。これを受けて公正取引委員会が、独占禁止法違反の容疑でB-CAS社などの事情聴取に乗り出したことが流れを決めた。結果的には、ウェブの世論が総務省の「業者行政」を押し切ったわけだ。

■著作権の期限延長も見送り

 他方、9月18日に開かれた文化庁の「過去の著作物等の保護と利用に関する小委員会(関連資料)」では、著作権の保護期間を作者の死後50年から70年に延長することについて「十分な合意が得られた状況ではない」と結論付け、見送る中間答申をまとめた。

 2年前にこの話が出た時、延長問題を考える非営利組織が結成されるなど、反対運動が広がった。延長すべきだという三田誠広氏や松本零士氏などの主張は説得力がなく、ブログなどで激しい批判を浴びた。しかし大手メディアはこの問題をほとんど報道しなかった。彼らも著作権の強化を主張する権利者団体の一員だからである。

 文化庁は、当初「国際協調」を理由にして強行突破しようとしたが、こうした消費者の声に押され、さらに小委員会の中心である中山信弘氏(東大名誉教授)が反対の方針を明確にしたため、延長案は葬られたのである。

■メディアの報道管制を破るウェブの世論

 こうした出来事は、これまであまり見られなかった。中山氏は、先月発足した「デジタル・コンテンツ利用促進協議会」の会長就任あいさつで、「これまで著作権法を抜本改正するのは無理だと思っていたが、2004年のレコード輸入権問題で消費者の声が輸入盤を守ったことで、業者の方ばかり向いていた著作権行政が変わり始めた」と語った(関連記事
http://www.rieti.go.jp/it/column/column031217.html
)。

 このときは法案が閣議決定されてからウェブで反対運動が盛り上がり、議員連盟もできた。著作権法の改正は阻止できなかったものの「洋楽レコードについて消費者の利益が侵害された場合には本法を見直す」という付帯決議がついた。

 その後も文化庁は、ダウンロードの違法化や私的録音録画補償金の拡大など業者寄りの政策を出したが、すべて消費者の反対で葬られた。中山氏もいうように、今やユーザーはクリエイターでもある。一部の業者だけを「権利者」として保護する制度と文化庁の行政が、もはや時代遅れなのである。

■すべての行政を「消費者の目線」で

 メディアは「第4権力」と呼ばれ、国家権力を監視する役割を果たすことになっている。しかしメディアを監視する機関はないので、彼らはその権力を使って業界の既得権を守ろうとする。特に日本ではテレビと新聞が系列関係になり、しかも各系列が横並びで報道管制して、電波利権や新聞の再販制度などの談合構造を守ってきた。

 しかしウェブは、こうしたメディアの情報独占に風穴を開け始めている。インターネットは、その生い立ちからユーザーによるユーザーのためのネットワークである。それは誰にも批判されないというメディアの特権を奪い、彼らの業界のタブーについても多くの消費者が追及する「第5権力」になろうとしているのかもしれない。

 福田内閣の打ち出した「消費者中心の行政」は、首相が途中で政権を投げ出したため、先行きが不透明になったが、消費者行政とは単に「消費者庁」を作ることではない。それは明治以来、「富国強兵」のために供給の最大化をめざして業者の利益をはかってきた行政を転換し、すべての官庁の行政を「消費者の目線」で行なうことなのである。


筆者紹介──池田信夫

1953年京都府生まれ。東京大学経済学部を卒業後、NHK入社。1993年退職後。国際大学GLOCOM教授、経済産業研究所上席研究員などを経て、現在は上武大学大学院経営管理研究科教授。学術博士(慶應義塾大学)。著書に「過剰と破壊の経済学」(アスキー)、「情報技術と組織のアーキテクチャ」(NTT出版)、「電波利権」(新潮新書)、「ウェブは資本主義を超える」(日経BP社)など。自身のブログは
「池田信夫blog
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo
」。