2008年10月1日水曜日

[ガンは増加]ビタミンBや葉酸サプリに心臓病への効果見られず

ビタミンBや葉酸サプリメントには心臓病の予防効果認めず

(2008.9.22掲載)
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=1467&Itemid=88

葉酸やビタミンBのサプリメントが、心臓病に効果があるかどうかを確認するための研究が、利益がないばかりではなく、被験者に有害である可能性が示唆されたために打ち切られた。

米国医師会誌「JAMA」8月20日号に掲載されたノルウェーの研究では、ホーケランド大学病院Haukeland University Hospital (ベルゲン)の内科医らが、約3,100人のボランティアを対象に、4分の3にはさまざまな量のビタミンBと葉酸を、残り4分の1にはプラセボ(偽薬)を摂取してもらった。

研究は平均38カ月間の追跡後に、予定より早く終了した。その理由について、研究者らは、葉酸にビタミンB12かビタミンB6を加えた治療介入では、死亡率あるいは重大な心血管イベントに対し、何ら予防的効果を見出せなかったためだという。

ただし、脳卒中についてはわずかな減少がみられたが、同時に葉酸摂取者ではわずかながら癌(がん)の増加がみられた。しかし、これらの結果にはいずれも統計学的な有意性は認められなかった。ノルウェーで行われた別の研究でも癌の増加が示されたため、今回の研究は終了となった。

米タフツ大学(ボストン)栄養学教授のAlice H. Lichtenstein, Gershoff氏は「今回の研究結果は、ビタミンBサプリメントの摂取は心疾患リスクを低減させず、逆にわずかではあるが危険性を警告している、とする最近の多くの研究を裏付けるものとなった」と指摘している。

今回の研究は、ホモシステインと呼ばれる蛋白(たんぱく)質の血中レベルが高いと心血管疾患のリスクが増加するとの観察的研究結果に基づいて行われた。研究では、葉酸およびビタミンBの摂取により3年間でホモシステイン値が30%低下したものの、心血管疾患リスクへの効果との関連性は認められなかった。

別の専門家は「我々は心疾患の予防において、ビタミンBなどの抗酸化物質の役割について楽観的でありすぎた。今回のような大規模試験の多くで、効果のないことが示されている。観察的研究で良い結果が出たことに関して、ビタミンサプリメントのせいか、サプリメントを摂取している人が一般的に健康的な生活を送っているためかを判断するのは難しい。現時点では、(サプリメントではなく)抗酸化作用のあるビタミンを含んだ果物や野菜の摂取を推奨したい」と述べている。(HealthDay News 8月19日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=618563