2008年1月28日月曜日

カルシウムサプリで女性の心疾患リスク上昇

http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=1085&Itemid=37
カルシウムサプリメントで閉経後女性の心疾患リスクが上昇(2008.1.28掲載)

骨粗鬆(しょう)症のリスクを減らすためにカルシウムの錠剤を摂取している閉経後女性は多いが、それによって心臓発作や他の心血管疾患のリスクが高まるとの研究結果が、英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」1月15日オンライン版で報告された。

ニュージーランド、オークランド大学健康科学部のIan Reid博士らは、閉経後女性1,471人(平均年齢74歳)を対象に、被験者をカルシウムサプリメント摂取群またはプラセボ群のいずれかに無作為に割り付けて、骨密度と骨折率に対するカルシウムの影響を検討した研究の二次分析を行った。

その結果、カルシウムサプリメント摂取群はプラセボ群に比べ、心臓発作のリスクが2倍以上、心臓発作や脳卒中、突然死のいずれかが生じるリスクが47%高く、影響を及ぼす因子を調整した後もそれぞれ49%、21%高かった。カルシウムサプリメントの摂取により血中カルシウム濃度が上昇することが判明し、血管(冠動脈)の石灰化が促される可能性が示された。

Reid氏は「この知見は主に冠動脈性心疾患(CHD)を有することの多い高齢者に関わるもので、70歳以上の人や冠動脈性心疾患のある人にはカルシウムサプリメント摂取を勧めるべきでない。小児から中年までの年齢層の人にカルシウム摂取を減らすよう勧める理由はない」という。

米レノックスヒルLenox Hill病院(ニューヨーク)のSusan Steinbaum博士は「この知見を無視することはできないが、女性がカルシウムサプリメント摂取を控えるべきというほど大規模な研究ではない」と述べている。別の専門家は「カルシウム摂取量をRDA(推奨栄養所要量)以下にすることを提案するものでない」としているが、カルシウムサプリメントに別の作用がある可能性を示唆している点で注目すべきだとの意見もある。(HealthDay News 1月15日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=611758