2008年1月31日木曜日

少年をひき殺し、「高級車だから修理代」要求

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200801310032.html
2008.01.31 Web posted at: 19:15 JST Updated - CNN

事故で少年死なすも、車が損傷と両親提訴 スペイン男性

スペイン・アロ(CNN) 高級車アウディを運転中に起こした事故で、はねた10代の少年を死なせていたにもかかわらず、車が損傷したとして少年の両親に損害賠償を求めていたスペインの男性が30日、訴えを取り下げた。

「自分も被害者だ」と訴えていたトマス・デルガド氏は2004年8月、高級車アウディ「A─8」を運転中に、自転車に乗っていたエナリツ・イリオンド・トリニダード君(当時17歳)をはね、死なせていた。

この事故で、デルガド氏は「車が破損した」と、トリニダード君の両親を相手取り、損害賠償2万ユーロ(約316万円)の支払いを求めて提訴。しかし、息子を亡くした両親へひどい仕打ちだとして、スペイン中から非難が集まっていた。

裁判が開かれた30日には、トリニダード君の両親を支援する数百人が集まり、デルガド氏を非難。この様子に、デルガド氏は弁護士を通じて、公共によるリンチの様だと伝えていた。

この騒ぎに、トリニダード君の父親アントニオ・イリオンドさんは、裁判所の判断に従うと、デルガド氏の提訴そのものについては、特に言及しなかった。しかし、同氏に対しては、息子が死んだ事故について、刑事訴訟するつもりだと語っている。

事故の報告書によると、デルガド氏は制限速度90キロのところを、113キロで走行したとなっている。しかし、トリニダード君の家族が独自に調査した結果では、時速173キロ出ており、トリニダード君の体は106メートルも引きずられたとしている。

この事故後、デルガド氏が加入していた保険会社が、トリニダード君の家族に保険金3万3000ユーロを支払っている。

しかし、デルガド氏は事故から2年後に、事故で破損した車と、その後に必要となったレンタカーの料金を求めて、トリニダード君の両親を訴えていた。