2008年3月11日火曜日

失明から視力回復が可能に

2008年03月11日 18時09分00秒

失明しても再び視力を取り戻すことが可能に

http://gigazine.net/index.php?/news/comments/20080311_implant_eye/

仕組みとしては、バイオ電子工学によって作られた人間の髪の毛ほどの幅しかないコネクターを持つインプラント装置を使い、見えているイメージを脳に送信するというもの。これは過去20年間の技術を結集させたもので、目に直接入れることができるほど小さいのが特徴。これによって、段々視力が失われて盲目になった場合は、視力を取り戻すことが可能になるそうです。

詳細は以下。

Eyes on prize: Visionary device gives hope - BostonHerald.com

High-tech retinal implant: How it works, how it's evolved - BostonHerald.com

これはV.A.医療センターで行われており、失われた視覚を取り戻す世界中にある22種類のプロジェクトのうちの1つであるボストン網膜移植プロジェクトの成果。このインプラント装置は目玉の中に侵入するわけではなく、目玉の後ろにある網膜のさらに後ろへ注入され、発信器として働きます。この発信器は電池式のカメラとそれを動かすバッテリーに接続されており、チタンで包まれたチップから細胞経由で脳の視覚的な部分へデータを送信し、「見える」ようにすることができるらしい。

効果が期待できるのは加齢黄斑変性症と色素性網膜炎の2種類が原因の失明で、視神経細胞を以前に持っていたことがある人だけ。生まれたときから盲目の場合や緑内障では残念ながら適用できません。これは、脳および完全な視神経細胞として機能する視覚的な受容器を持っていることが前提であるため。

開発にこれだけの期間がかかった理由としては、小さいだけでなく、防水でなおかつ腐食などにも耐え、さらに目の中で10年以上もの間、動き続けなくてはならなかったため。永久に動き続けるバージョンはこの夏に完成予定。

このインプラント装置によって完全に視力を回復することはまだ無理ですが、周囲の環境を把握できる程度の視力は戻るようです。これによって、杖を使って歩く必要が無くなり、来たことのない未知の環境でも問題なく歩くことができるようになるそうです。最終的には人間の顔やいろいろなものの詳細を識別できるレベルにまで高める予定。

なお、実際に人間に外科手術を行って適用するのは後数年後になるとのことです。

2008年03月11日 18時09分00秒 in メモ Posted by darkhorse

■失明・治療関係のメモ
15年間の失明から回復、自身の左目の幹細胞を右目に移植 2009年12月28日月曜日
歯を目に移植し視力回復、失明治療に成功 2009年9月17日木曜日
失明から視力回復が可能に 2008年3月11日火曜日
失明治療を可能に 理化学研究所 2008年2月5日火曜日
網膜再生し失明も治療可能に 理化学研究所 詳細記事 2008年2月5日火曜日

■色覚・色弱に関するメモ
色覚障害のサルの遺伝子治療に成功-全ての色を識別可能に 2009年9月17日木曜日
色覚異常(色弱)を遺伝子注入で治療-わずか1週間で 2009年9月17日木曜日

■眼に関するメモ
緑茶が眼病予防にも効果 2010年2月26日金曜日
「円偏光」を感知できる特殊生物、シャコ 2008年4月1日火曜日
プール後の洗眼は悪影響、角膜損傷へ 2008年3月21日金曜日