2009年9月17日木曜日

歯を目に移植し視力回復、失明治療に成功

ライフ・カルチャー > ヘルス > 記事

自分の歯を目に移植、失明から視力回復 米女性

http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2642790/4608471

2009年09月17日 15:26 発信地:マイアミ/米国

米マイアミ大学(University of Miami)バスコム・パルマー眼研究所(Bascom Palmer Eye Institute)で記者会見するシャロン・ソーントン(Sharron Thornton)さん(2009年9月16日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Joe Raedle

関連写真1/1ページ全6枚

【9月17日 AFP】約9年前に失明した米国人女性(60)が、歯を用いた人工角膜の移植によって視力を回復したと、手術を行った米マイアミ大学(University of Miami)バスコム・パルマー眼研究所(Bascom Palmer Eye Institute)の医師らが16日、明らかにした。

 ミシシッピー(Mississippi)州在住のシャロン・ソーントン(Sharron Thornton)さんは、2000年にスティーブンス・ジョンソン症候群にかかり、失明した。角膜移植や一般的な人工角膜は拒絶反応があったという。

 そこで医師らは、ソーントンさんの犬歯を周囲の骨ごと取り出し、形を整えたのち、穴を開けてそこに光学レンズをはめ込む手法を取った。この手法では、レンズをはめた歯は患者のほおまたは肩の皮下に移植され、歯とレンズがしっかり結合するまで2か月間放置される。こうしてできあがった人工角膜に細かい処置を施した後、目の中心に移植した。

 包帯は2週間前に外されたが、ソーントンさんはその数時間後に物体や人を認識できるようになり、2週間後の今では新聞も読めるまでになった。「まだ見たことのない7人の孫たちの顔を早く見たい」と話しているという。

 この手法は、もともとイタリアで開発されたが、米国では今回が初の実施。患者本人の歯を使用するため、角膜移植への拒絶反応がある人でも大丈夫だという。(c)AFP
AFPBB News トップへ

■失明・治療関係のメモ
15年間の失明から回復、自身の左目の幹細胞を右目に移植 2009年12月28日月曜日
歯を目に移植し視力回復、失明治療に成功 2009年9月17日木曜日
失明から視力回復が可能に 2008年3月11日火曜日
失明治療を可能に 理化学研究所 2008年2月5日火曜日
網膜再生し失明も治療可能に 理化学研究所 詳細記事 2008年2月5日火曜日

■色覚・色弱に関するメモ
色覚障害のサルの遺伝子治療に成功-全ての色を識別可能に 2009年9月17日木曜日
色覚異常(色弱)を遺伝子注入で治療-わずか1週間で 2009年9月17日木曜日

■眼に関するメモ
緑茶が眼病予防にも効果 2010年2月26日金曜日
「円偏光」を感知できる特殊生物、シャコ 2008年4月1日火曜日
プール後の洗眼は悪影響、角膜損傷へ 2008年3月21日金曜日