2008年9月25日木曜日

インターフェロンの副作用で死者、厚生労働省が通達

インターフェロンの副作用はよく知られているが、その副作用で死者がまた出ている

必ず起こる副作用として悪寒、発熱・だるさ、(通常長期の使用で)脱毛、食欲減退・低下
そして必ず起きる副作用のうちいちばん重要なのがうつ(鬱)症状である

欝病と違い、服用をやめればウツ様症状はおさまるものの、取り返しのつかない最悪の状況に陥りやすく最も注意が必要な副作用となる
当人は病気自体に当然悩み、副作用によるつらい症状から『落ち込んで当然』と思いがちで、周りも「落ち込んで当然」と思い、重篤なうつ状態になっていることに普通気づかない

なので医師や看護師が気づかなければならない

一般的にはインターフェロン治療を行うときは抗うつ薬を処方することが多い
三環系抗うつ薬しかなかったころと違いSSRIが出た現在では抗うつ薬の知覚できる相当辛い副作用が激減しているため処方をしない理由はあまりない
なお、SNRIやSSRI、以前の抗うつ薬とインターフェロンで相性が悪く“禁忌”とされているものもあるため注意が必要だ

中でもMAO阻害薬は絶対に避けるべきだが、単独での使用さえ薬理作用があまりに複雑、かつ危険な副作用があるため処方されない
例えば一般的な食品であるチーズや牛乳を食事で摂取するのは危険がある
処方するとしても『MAO阻害薬を使わなければ絶対に死ぬ』場合に限定的、かつきわめて特殊な状況の時に使わざるを得ない使用にとどめるべきで、そのような状況では通院治療はありえず24時間監視体制の入院で行われるべきだ


間質性肺炎はインターフェロンに限らず副作用、病気として極めて重い部類となり、たとえばアナフィラキシーショックなどとともに死亡率が高い
肺が炎症を起こし、繊維質に変質してしまう状況で、死亡率も高いが助かった場合でも進行具合によっては一生、酸素吸入器が24時間必要になるなど重大な病気となる
また、臓器が繊維質になってしまい生体間移植などを無理に行ってもつきにくくなることから移植で問題解決となりにくいことも困難となる

ハッキリしていることはうつ病状況下ではインターフェロン治療は行うべきではない
肝炎症状が出ていて劇症化しているなら仕方ないが、「血液中のウイルス量を減らしておきましょう」といった緊急性や今やらねばならない理由がないときはすべきでない
「数値が低くなるから」という趣味や好みでうつ病治療中の患者にインターフェロンで肝炎の治療を選択するのは不適切だ


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副作用で22人死亡 インターフェロン製剤8製品

http://www.asahi.com/national/update/0925/TKY200809250292.html

2008年9月25日19時40分 ソーシャルブックマーク

 厚生労働省は25日、慢性C型肝炎の治療に使われるインターフェロン製剤の7社8製品の副作用で間質性肺炎になったとの報告が04年4月~今年5月に計223件あり、うち22人が死亡していたとする調査結果を公表した。

 同製剤で間質性肺炎の副作用が起きることはこれまでに知られており、製品の添付文書で警告されているが、同省は使用に際して改めて注意を呼びかけている。

 8製品の推計使用者数は計16万8800人。最も副作用報告が多かったのは、中外製薬の「ペグインターフェロンアルファ―2a」(商品名ペガシス)で、124人(死亡13人)だった。この124人のうち11人は過去に間質性肺炎を患っていた。

 次に多かったのは、シェリング・プラウの「ペグインターフェロンアルファ―2b」(商品名ペグイントロン)で、78人(同6人)だった。

 厚労省は「ペガシスについては既往歴のある患者に高い確率で副作用が起きる傾向にある」として、既往歴がある患者に投与しないよう添付文書に書き加えるよう指示した。

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関連リンク
インターフェロン医療費助成、1年半に延長へ 厚労省(8/1)
http://www.asahi.com/health/news/TKY200808010348.html
B型肝炎患者ら67人、国に賠償請求 東京など6地裁(7/30)
http://www.asahi.com/health/news/TKY200807300343.html
B型・C型肝炎の治療費助成開始 年間10万人見込む(4/1)
http://www.asahi.com/life/update/0401/TKY200804010336.html

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インターフェロン:22人が副作用死

http://mainichi.jp/select/science/news/20080926k0000m040054000c.html

 C型肝炎の治療に使われるインターフェロン(INF)製剤の投与で、04年4月~今年5月に223件の間質性肺炎による副作用報告があり、うち22件が死亡例だったことが、厚生労働省の調査で分かった。厚労省は特に報告が多かった製剤「ペガシス」について、販売元の中外製薬に、過去に間質性肺炎になった患者への使用を禁じるよう添付文書の改訂を指示した。

 厚労省によると、現在使用されているINF製剤は8種類。販売元の推計では5年余で約16万8800人が使用した。肺胞と肺胞の間に炎症が起こる間質性肺炎の副作用があることは従来から知られているが、調査の結果、間質性肺炎の既往歴のある患者ほど副作用が起こりやすかった。

 報告が最も多かったのは、約4万2600人が使用した「ペガシス」で、124人が間質性肺炎になり、うち13人が死亡した。過去に間質性肺炎になったことがある患者は11人(死亡1人)で、副作用の発生率が他の患者より10倍程度高かった。厚労省はペガシスの使用上の注意の禁忌欄に「間質性肺炎の既往歴のある患者」と明記させ、それ以外の製剤についても、既往歴のある患者への慎重投与を促すよう求めた。【清水健二】

毎日新聞 2008年9月25日 19時35分