2008年9月29日月曜日

栄養剤サプリ服用が子どもの喘息リスクを2倍に高める

母親の栄養サプリメント服用が子どもの喘息リスクを高める

(2008.9.29掲載)
http://www.healthdayjapan.com/index.php?option=com_content&task=view&id=1478&Itemid=37

女性による葉酸や他の栄養サプリメント利用の増加が、過去25年に子どもの喘息の罹患率がほぼ2倍になった一因である可能性が、米国の研究者らによって示唆された。今回の研究は、全米ユダヤヘルスNational Jewish Health(デンバー)内科教授のDavid Schwartz博士、および米デューク大学(ノースカロライナ州)医学部内科助教授のJohn W. Hollingsworth氏らがマウスを用いて実施したもの。妊婦女性の食事が原因で遺伝子調節の(後成的なepigenetic)変化が生じ、子どもにアレルギー性喘息が発現するリスクが高まる可能性があるという。

研究の結果、メチル供与体(葉酸、L-メチオニン、コリン、ゲニステイン)を多く含む食餌を与えた妊娠マウスの仔は、メチル供与体の少ない食餌を与えたマウスの仔に比べて、より重症のアレルギー性気道疾患を有しており、喘息の重症度、気道反応性亢進、気道のアレルギー性炎症の程度や血中IgE値が高く、免疫系T細胞がアレルギーに関連する型である確率が高かった。

また、仔が雄の場合は孫マウスにもアレルギー性気道疾患に罹患しやすい素因が遺伝した。授乳期または成体期におけるメチル供与体を多く含む食餌とアレルギー性喘息のリスク増大との関連性は認められなかった。研究結果は、米医学誌「Journal of Clinical Investigation(臨床研究)」オンライン版に9月18日掲載された。

Schwartz氏は「DNAメチル化(methylation)を変化させる母親の食事が胎児の免疫系の発達に影響を及ぼし、アレルギー性気道疾患に罹患しやすくなることが示唆された」として、過去20年における喘息の劇的な増加と妊娠可能年齢の女性のサプリメント摂取の変化との関連性を指摘。また、Hollingsworth氏は「子宮内での発達には、免疫系を変える後成的な変化が起こりやすい決定的な時期があると思われる」と述べている。(HealthDay News 9月18日)

http://www.healthday.com/Article.asp?AID=619438
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