2009年10月15日木曜日

部下を潰して出世する上司への対処法

※長いので抜粋

スキル・キャリア > 「会社のワガママちゃん」対処法
松崎一葉(筑波大学大学院 社会医学系 教授)

【最終回】 2009年10月15日
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部下を潰して出世するクラッシャー上司は
「人格の未成熟さ」を抱えた危険な存在

http://diamond.jp/series/wagamama/10010/

 最終回となる今回は、少し視点を変えて、企業の必要悪的な存在とみなされてきた「パワハラ・クラッシャー上司」についてお話しします。

 この「パワハラ・クラッシャー上司」は、確かに能力はあり仕事はデキます。しかし、部下を奴隷の如く扱い、失敗するとネチネチと責め続け、気分の上がり下がりが激しいという特徴をもっています。

 部下は、どんどん心を病んで脱落していきますが、自身の実績は社内でもトップクラスであるため、会社としても処分するわけにはいかず、あれよあれよという間に出世していきます。

 あなたの周囲にこんな上司はいませんか?  実は、このようなクラッシャー上司も人格が未成熟なワガママちゃんです。まず、事例から提示しましょう。
自分を責める相手には、
脅迫まがいの言動で威嚇
 本人は、「全く最近の若い奴らは困ったもんです」「育ててあげようと愛の鞭をふるうとすぐに潰れてしまう」「こういう奴らにメンタル不全の診断書がでてますけど、最近の精神科医の方々も、先生には悪いですけど質が落ちましたな!」と話していたが、精神科医が適応障害について解説し、原因の一端は職場環境、つまり管理職のマネジメントスタイルにもある旨を述べると激昂して反論した。

「先生はいくら御高名かもしれませんがね、企業というものがわかっていない」「なんなら失礼とは存じますが、父の友人にT大病院の精神科医がいますので、そちらにセカンドオピニオンをもらってきても宜しいでしょうか?」「私は、今回の部下の休職の処遇には納得できない、それを原因が私にもあるなんて言われちゃあ、いくら仏と言われた私でも黙っちゃいられませんよ」と脅迫にも近いような攻撃性を露呈してきた。
3つの対応法によって
クラッシャーから自分を守る
 これらの背景を把握したうえで、「パワハラ・クラッシャー上司」への対応について解説します。

【クラッシャー対応1】
攻撃性には受容的に
 攻撃性は退行現象です、ですから彼らの不安感・焦燥感を受け止め、まずはひたすら頭を垂れて聞き流し、怒りと不安が多少収まるのを待ちます。

【クラッシャー対応2】
劣等感を認識する
 心の底に根ざす不幸な劣等感があることを慮ってあげてください、そうすれば多少は皆さんの気持ちも収まるはずです。

【クラッシャー対応3】
周囲の人と共有化する
 誰かがターゲットになって説教を受け始めたら、課内の他のメンバーが「クライアントからの緊急の連絡」等として呼び出してあげる、などの対応のマニュアル化が必要です。

 クラッシャーは現代においてコンプライアンスの観点から決して容認されるものではありません、しかし、現実的には、企業も即対応できるものでもありません。そのような事情の中で、当面はこのような対応マニュアルで応じていくのが実際的でしょう。