引っ越しシーズン 敷金を取り戻せ! (ゲンダイネット)
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/n_real_estate__20100320_2/story/20gendainet05021313/引っ越しシーズンのこの時期、賃貸住宅の敷金返還をめぐるトラブルがあちこちで起こっているのではないだろうか。敷金は滞納家賃の補填のために借り主が家主に預けるカネで、滞納がなければ退去時に全額返還するのが原則。しかし、「修繕費」「ハウスクリーニング代」などと理由をつけて、一部どころか、まったく返ってこなかったり、さらに金銭を要求されたりしているのが現状だ。
●こんな修繕費は負担する必要なし
国土交通省や自治体のガイドラインでは、普通に暮らしていても起こる畳・床、壁などの日焼け、冷蔵庫、洗濯機などの裏の壁の黒ずみ、エアコンの跡やビス穴、カレンダーなどの跡、家具による床やカーペットのへこみ、通常のキッチン・風呂の汚れなどは、借り主に責任なしとしている。貸し主はこれらの修繕・クリーニング・交換を理由に、敷金返還を拒否することはできない。修繕などの費用は、毎月の賃貸料に含まれていると考えられるからだ。
逆に借り主が負担しなければならないのは、不注意で壊した部分、ペットによるキズ、日常の手入れをせずにできたキッチンの汚れや風呂のカビ、キャスター付き家具のキズ、ひどいたばこのヤニ汚れなどである。
●返還拒否されてもこの手がある
内容証明郵便で「国のガイドラインによると修繕費負担の必要はないので、敷金の返還を求めます」と請求すると、解決することは多い。
「それでもダメなら裁判ということになります。取り戻したい金額が60万円以下なら、簡易裁判所の少額訴訟でいい。普通は弁護士をつけず、当事者が証拠や資料を持ち込み、1日で決着します。費用も手数料だけなので1万円以下です」(賃貸住宅の敷金・更新料問題に詳しい弁護士)
裁判外紛争解決手続き(ADR)という方法もある。住宅関係の団体や行政書士、弁護士などが、第三者として借り主と貸し主のそれぞれの言い分を聞いて和解案を作る。「行政書士ADRセンター東京」の費用は、申込手数料3600円、話し合い1回ごとに3600円だ。絶対に泣き寝入りしないこと!
(日刊ゲンダイ2010年3月17日掲載)
[ 2010年3月20日10時00分 ]