2009年11月15日日曜日

鳴り物入り「事業仕分け」ここが大問題

鳴り物入り「事業仕分け」ここが大問題

http://news.livedoor.com/article/detail/4451514/
2009年11月15日10時00分 / 提供:ゲンダイネット

●最初から各省庁が準備していたムダ事業

 自民党時代にはお目にかかれなかった官庁のムダを洗い出す「事業仕分け」がスタート。1日だけで、11事業を廃止、500億円の予算を浮かせた。「この調子で1年間ブッ通しでやって30兆円くらい浮かせてくれ」の声が強いが、さっそく問題点も見えてきた。

「官庁にムダが山ほどあるのは事実。それをオープンな形で摘出するのは結構なこと。政権交代の意味があったということです。ただ、この事業仕分けは市町村レベルで行われてきた。役所の仕事を地元住民が参加してチェックする形です。その形式をいきなり国レベルの事業に当てはめ、よく分からない人たちが短時間で廃止を決めるのは相当に無理がある。どうしても予算全般を仕切る財務省のお膳立て通りにやるしかなくなります」(政治アナリスト・伊藤惇夫氏)

 そういえば、事業仕分けの席では、財務省の役人が進行役をやっていた。「歳出カット」が至上命題の財務官僚が行司役となって、民主党を利用しているとしたら、悪質な話だ。

「いや、各省庁もグルのようなものでしょう。最初からムダな事業を自分たちで選び出し、行政刷新会議に“土産”として差し出す。その代わり、本当に隠したい事業や身内にウマミのある予算には民主党政権に手をつけさせない。狙いはそこですよ」と語るのは、日本金融財政研究所所長・菊池英博氏である。デキレースだから、1日で500億円の事業が廃止できたということなのか。

「それに仕分けチームのメンバーも大問題ですよ。亀井大臣が怒ったそうですが、どうして日本の財務の仕分けに、モルガン・スタンレー証券のロバート・フェルドマン部長という外国人が入っているのか。また何度も業務停止命令を受けているBNPパリバ証券のエコノミスト・河野龍太郎が入っているのもおかしい。さらに、川本裕子、翁百合、高橋進、土居丈朗といったエコノミストや大学教授もメンバーですが、彼らは消費税引き上げ推進派だったり、小泉・竹中デタラメ改革の賛同者であり、民主党の“国民の生活が第一”の政治理念に全然合わない人たちですよ。このメンバー人選は禍根を残しますよ」(菊池氏)

 ネットで映像も公開されている劇場型の「事業仕分け」作業だが、そのウラ側は問題が大ありのようだ。

(日刊ゲンダイ2009年11月12日掲載)