物流もお貸し出し!商魂たくましきAmazonの戦略
http://4510plan.jp/360/newscolumn/11059/index.html?vos=nsgkliva200908240022009年11月02日 00:00更新
書籍を中心に、DVDや電化製品など1000万種類を超えるアイテムを提供しているAmazon.com(以下アマゾン)。売上を伸ばし続ける同サイト成功の裏には、これら膨大な商品を管理・保管する物流センターやオンラインショップを支えるシステムがある。このノウハウをぜひ使ってみたい、という方に朗報のサービスがスタートした。
新たなサービス「FBAマルチチャネルサービス」を展開するのが、アマゾンの物流業務を専門に行ってきたアマゾンジャパン・ロジスティクス株式会社。このサービスは、新たにアマゾン以外の販路で受注した商品を同社の物流センターで管理・保管し、配送を行ってくれるというもの。つまり"物流業務代行"というわけだ。
自前で物流機能を確保するには、商品を保管する場所(つまり倉庫)や正確な在庫数を把握するための在庫管理システム、注文に応じて商品を取り分けて梱包する作業者の確保などが必要となり、当然多額のコストがかかる。これまでは、物流専門事業者がアウトソーシング業務を請け負っていたのだが、そこに同社も目をつけたのだ。
他にも、サーバーやストレージなどをその場で借りることができるサービス「Amazon Web Services(AWS)」を2006年から展開している米Amazon.com Inc.の動向など、同社のインフラを様々な形で外部から利用できる環境は着々と整ってきている。アマゾンで培ったノウハウをネット通販以外の領域でも活かそうとする積極的な姿勢が垣間見える。
ただ、複数企業の荷役を請け負うことになる今回のサービスでは、梱包方法や出荷指示の出し方など、新たなオペレーションが現場に要求されるはずだ。かつて身を置いていた経験があるだけに、運用現場の変化についても個人的には注目したい。
物流業界からは景気低迷に苦しむ声も聞こえてくるが、ネット通販は未だに成長を続けている業界。今回の新サービスに対する業界の反応も気になるところだ。
text by:てんとまる社 酒井洋和