2009年11月9日月曜日

個人差大きい人体の細菌=口は類似、腸はバラバラ-米大学調査

個人差大きい人体の細菌=口は類似、腸はさまざま-病気予防へ貢献期待・米大学調査

http://www.jiji.com/jc/zc?k=200911/2009110900085

 人体に生息する細菌の多様性は、一人ひとりの時期による違いよりも、個人差の方が大きく、身体の各部では、口内が似ている一方、腸内は大きく異なることが分かった。米コロラド大の研究チームが、健康な男女9人の身体27カ所に生息する細菌の種類を網羅的に調べ、9日までに米科学誌サイエンス電子版に発表した。
 人体に生息する微生物は100兆個あると言われ、病気の原因になる悪玉のほか、消化を助けるなどして健康に貢献する善玉もいる。健康な人体の環境を解明した上で、さまざまな病気にかかった場合との違いを突き止めれば、病気の早期診断や予防に役立つという。
 対象者は相互に無関係で、細菌を採取したのは昨年6月と9月の計4回。部位は口内、鼻や耳の穴、頭髪、手のひら、脇の下、かかとなどで、腸内は便で調べた。細菌の種類は、こうした分析によく使われる特定の遺伝子のDNAによって分類した。
 その結果、生物の分類で「科」の3段階上に当たる「門(もん)」レベルで、22門の細菌が見つかったが、9割は四つの門で占められていた。最も多かったのは、ビフィズス菌などが属する放線菌門の36.6%で、続いて乳酸菌などのファーミキューテス門が34.3%、サルモネラ菌などのプロテオバクテリア門が11.9%、腸内に多いバクテロイデス門が9.5%だった。(2009/11/09-09:24)