インフルエンザ予防の手洗いで手荒れが急増、正しい洗い方は?
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20091112/1030180/2009年11月16日
インフルエンザ予防のための手洗いで手荒れが増えている(画像クリックで拡大)
インフルエンザ感染を防ぐための手洗いで、手荒れになる人が増えている。オフィスの入口、トイレなど至る所にアルコールなど殺菌消毒液が置かれ、手指を殺菌消毒する頻度が高まっているからだ。
横浜市の野村皮膚科医院・野村有子院長によると、通常、手荒れだけで受診する患者はいないそうだが、今年は、「9月以降、手荒れだけで受診する人が出てきて、その人数は2ケタになった」という。要因は手洗いが過剰になったこと。防ぐには手荒れを防ぐポイントを理解する必要がある。
そもそも、感染予防のため手洗いする理由はどういうものなのか。東京都健康安全センター疫学情報室によると、「咳をする人は無意識に手の先(指先)を口に当てていることが多い。感染者がウイルスのついた手で触ったドアノブやつり革を通じて、他人に感染させてしまうことがある。ウイルスの付いた手で自分の口や鼻、目などの粘膜を触ってしまうと感染する。飛沫感染だけではなく手から感染することもあるので手洗いを励行している」とのことだ。つまり、アルコールで手を消毒するのは、外出時に付着したかもしれないウイルスを殺菌するため。手荒れが気になる人は、外出もしていないのに、トイレに行く度に手を消毒する必要はないということだ。
2種類の石鹸を使い分ける
野村院長の勧める、手荒れを防ぐ手の洗い方のポイントの一つは、殺菌作用のある石鹸と低刺激の石鹸との2種類の石鹸を状況に応じて使い分けること。外出先から戻ったときは、殺菌作用のある石鹸を使用して、それ以外(食事の前、トイレの後)は、水で流すだけか、低刺激の石鹸を使うのが望ましい。最近は、殺菌・消毒作用のある石鹸液を充填しながら、さらにアルコールを置くオフィスのトイレも少なくない。手が荒れる人は、水で流すだけにとどめたほうが良い。また、手を洗う湯水の温度も関係する。高温の湯だと手の皮脂を奪う。逆に低温の水だと、冷たさで手洗いが不十分になりやすく、また、血行が悪くなることで手が荒れやすくなる。望ましいのは、ぬるま湯での手洗いだ。
オフィスのトイレに設置されたハンドドライヤーも要注意。長く使うと手を乾燥させすぎてしまう。
それでも手荒れが気になる人は、ハンドクリームを塗ると効果がある。手洗いの度に塗るのが理想だが、無理な場合、夜寝る前にたっぷり塗るとよい。
紙を触ることが多いオフィスワーカーには、べた付くクリームに抵抗がある人も少なくないだろう。実は、ハンドクリームは、大きく分けてグリセリン基材のものとワセリン基材のものがある。ワセリンは油分が多くべたつくので、クリームのべたつきが気になるなら、製品の成分を確認して、グリセリン配合のものを選ぶとよい。
(文/中須 譲二=日経トレンディネット)