2009年11月13日金曜日

赤、青、緑、原色を撮るときのデジカメの考慮すべき特徴・癖

抜粋

【伊達淳一のデジタルでいこう!】「EOS 7D」で紅葉を撮る&ライバル機種と撮り比べ

http://dc.watch.impress.co.jp/docs/review/date_digital/20091113_328062.html

Reported by 伊達淳一

EOS 7D。装着レンズは「EF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USM」

 ボクはこれまであまり積極的に紅葉を撮影してこなかった。というのも、引きで紅葉を撮影しても、赤い葉っぱがボヤッと不鮮明になってしまうし、かといって逆光に透けるモミジをアップで狙ったのでは、どこで撮影しても似たような写真になってしまうので、フラストレーションばかりが溜まってしまうからだ。

 デジタルカメラに搭載されている撮像素子の大半は、規則正しくモザイク状に配置されたカラーフィルター(ベイヤー配列)で色分解を行なっているので、光の三原色であるRGBのどれか1色しか取り込めない。そのため周辺の画素から色や輝度情報を参照し、補間処理を行なってフルカラー画像を得ている。つまり、真っ赤な紅葉を撮影しても、赤に感じる画素は有効画素数の4分の1しかなく、周辺の画素からも赤の情報は得られない。そのため、RGBの情報をそれなりに含んでいる被写体に比べると、赤一色、もしくは青色で構成されている被写体は、どうしても解像感に欠けてしまうのだ。


 ただ、画素数が増えてくると、赤や青に感じる絶対的な画素数も増えてくるので、その分、紅葉撮影には有利となる。800万画素の「EOS 20D」なら赤に感じる画素は200万画素しかないが、1,800万画素の「EOS 7D」なら450万画素もある。これだけの画素数があれば、例え赤と黒だけの被写体であっても、それなりの解像感が得られるに違いない。そんな期待を持って、EOS 7Dで信州の紅葉を撮影してきた。

 悩んだのがEOS 7Dと組み合わせるレンズの選択だ。EOS 7Dと一緒に発売された「EF-S 15-85mm F3.5ー5.6 IS USM」は、従来の「EF-S 17-85mm F3.5ー5.6 IS USM」に比べ、ワイド端の画角が広がっていて、倍率色収差も少なくなっている。EOS 7Dの常用標準ズームとして最適な1本だが、惜しむらくはズーム中域で周辺光量補正でも救いきれない四隅の落ち込みがあり、絞ってもほとんど解消しない。