2008年8月30日土曜日

ジャーマンフィジクス カーボンDDDユニット 続報

ジャーマンフィジクス未発売カーボンスピーカー試聴とランシェ再試聴 2008年7月25日23:27

カーボンDDDユニットの情報が入ったので補足情報

DDDユニットの傘の開き具合について


確認が取れたのでチタンのものと傘の開き具合、およびサイズはまったく同じとのこと
※私からの補足:チタンとカーボンでは厚みはかなり違っている
  • ユニットの開き具合が変わる可能性
メーカーの主張によれば
ユニットの開き具合(角度)、
大きさ、
ボイスコイル側からユニットの振動板(カサ)が開くという構造そのもの、

『これらは厳密に科学的に実証・検証され。決定したもの』であるとの主張なのでDDDユニットの開く角度、サイズは材質が仮に新たに別のものになっても変わらないとのこと

前回のジャーマンフィジックス視聴レビューでは触れないままになっていた感想を補足

メーカーの主張ではどれほどネットワークに凝っても厳密には一つの音が2度のタイミングで聞こえる
LCネットワークでもエレクトリッククロスオーバーでも一つの音が複数回聞こえることに変わりない
※私の補足:デジタルでタイミングを調整できるエレクトリッククロスオーバーで行おうと、一般的なパッシブLCネットワークでも時間差が生じるのは避けられない。たとえば座ったときに時間差ゼロに出来たとして立ち上がってしまえば各ユニットとの距離が変わるので時間差が生じる。

これはどれほど時間差が短くとも人間はわかる。それは本能として発達したものでどうしてもわかる
なので主要帯域にクロスオーバーを持たせずフルレンジをDDDユニットが担当する。
※私からの補足:実際は低音ユニット搭載している機種も多く低域側にクロスオーバーはある。『低域側は波長が極端に長いので極端な問題は発生しない』とGerman Physiks社は主張している。

感想の前に技術的な特徴・主張を書いたが感想に必要な事柄だったので前もって書いた
主要帯域がDDDユニット1発で再生しているので位相がいい
メーカーの主張はすごいがコケ脅しだとホラ吹き扱いになるが実際いい

ただ、買う人は留意したほうがいいことを前回書いてなかった

位相特性がよすぎる

しかも表現する能力も高い(位相特性がよくてもエンクロージャーが盛大に鳴ったりダイナミックレンジが取れず使う音量では一番いい位相特性が出せず音割れするようなものとは違うという意味)
完全なフルレンジコンデンサー型もそうなのだがマイクセッティングやエフェクターの使い方がよく出る
しかし録音側が使っている機材よりあまりにも高性能で表現するためにおかしい表現になるときがある

録音されたものをとにかく全部、失敗だろうがセンスが悪かろうが何もかも引っ張り出して聞きたいという人はうれしくて大喜びだろうが、音楽好きで音楽に没頭したいタイプの場合、奇妙な再生音場になることを頭に入れておいたほうがいい。かならず当人がメインにしているディスクは再生して購入すべきだ
これは優秀録音、普通の録音、音の悪い録音関係なく変な音場になるものとならないものがある

ジャーマンフィジクスのSPで聞くと作られる音場位置が天井にいったり、床で歌っていたりする

これは位相特性がいいことに極端にこだわるようになったハイエンド機器と比べても特異だ
最近ではカーマの日本でのフラッグシップ機600万円以上など、いろいろな会社の超高級機でも同じディスクを確認したがそれらでは通常の普通に再生される
こういったことを再現できるのは他にはフルレンジESLくらいだ

演奏者や楽器の上、高い位置からマイクが録っているとなるようだ
だったら再生するときは床に音場が出来そうなものだが、とにかく天井に定位する
さらに悪いことに、マイクが下向きにセッティングしてあるとさらに奇異になる
上からカメラで映したときのように楽器が目に浮かぶ(楽器の側面ではなく天面が見える感じで再生される)。天井の真上からぶら下がって演奏を見ているようで変だ
ピアノも木琴も大太鼓も倒して演奏しているように目に浮かぶ

普通、オンマイク・マルチマイクで録るポピュラー音楽でも天井に演奏家がいってしまうものがある

それらのディスクはカーマやティールなどほかのハイエンドSPで再生しても普通に再生される
フルレンジコンデンサーと一対比較していないのでその場でESL型もそういう表現になるか確認取れなかった

普通の位置に再生されるディスクも多い

逆に床に演奏家かいるように再生されてしまうものもあった
位置関係が歌手の首だけがやっと床より上に位置し、あれでは生首が歌うホラー映画のようだ

首を上向にしたり下を向いてみたり、座る位置を変えたが多少変わるものの、録音がそうなっているものはそう表現される


それを高性能の証し、本当の再生音と取るか、
高性能すぎてディスクを選ぶと取るか、実際に聞いてから判断すべきSPだ

思い出したことが他にもある
クラシック評論家の石原氏が講演しているときもそうだったし自分が聞く機会のすべててで、横方向の表現は見事だ
横の位置関係は濃密ですばらしい

それに心奪われて気づかなかったのだが奥行き表現が自分が聞いた機会すべてて「そういえばほとんど感じられない」と気づいた

それに両SPの間の横方向は見事だが、SPの外から聞こえる曲をかけても再現されるのはSPの位置までで両SPの外から聞こえてくることがそういえばなかった

セッティングをつめれば最適位置を見つけ、奥行きも出るかもしれないが、他のスピーカーで最適に空間表現が出せる位置に置いて、空間表現・特に前後が豊かなディスクをかけても奥にも手前にも位置せず両SPを結んだ一直線上に横に並ぶ
ただしすごくきれいに並ぶ