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研究日記(統計学)+ε冷房の設定温度を28度にしている人の時給は120円以下
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3年ほど前から省エネと称して、
冷房の設定温度を28度にするという
精神訓練が日本で流行っているらしい。
竹槍でB29を落とそうとした国民にとっては
このくらいは屁の河童といったところだろう。
尊敬の意を禁じえない。
幸いにも、私はこれが始まる前にこちらに来たので
こうした修行を受けずに済んでいるが、
今日のニュースによると、
25度から室温が一度上昇するごとに
作業能率は2%ほど低下するそうだ。
実際には、これは影響を過小評価しているだろう。
オフィスで行われる作業のうち大半は単純作業なので
頭脳労働ではもっと効率が落ちるだろうし、
室温が上昇する毎に作業能率の低下は加速するだろうからだ
(そうでなければ、室温50度でも通常の半分の作業をこなせることになる)。
まあ、ひとまずそうした細かい点は脇において、
これを機に冷房の設定温度を28度にすることが
いかに馬鹿げているか計算してみたい。
まず、本来であれば、オフィスの冷房の設定温度を
1度上げたときに節約できる費用を計算できれば良いのだが、
残念ながら良い資料がない。
そこで、家庭用の8畳~12畳用の標準的なエアコンを一人に
かかる冷房費用とみなして試算しよう。
資料によると、夏の112日間に一日8時間ずつかけたとして
冷房費用は合計で14,150円かかり、
設定温度を一度上げることで15%程度節約できるという。
従って、設定温度を一度上げても一時間あたりに直す
とわずかに2.4円の節約である事が分かる。
これで作業効率が2%落ちるとすれば、
時給120円以下の人でないと設定温度を上げる
経済合理性はないことになる。
私は、室温を28度に設定している会社では働きたくないし、
そんな企業の株にも投資したくない。
最近は、同じ室温でも快適に過ごせるように、
ということでクールビズなどというものも流行っているが、
そんなことは言われなくても私はずっと前からやっていた。
そもそもオフィスの24-25度という室温は、
男性にとって涼しい服装をしていてちょうど良い温度である。
エコというのは、例えば、
効率の良い冷房機の購入に補助金を出したり、
燃費の悪い車に多額の税金をかけたり、
原子力発電を増やしたりすることによって達成すべきだし、
そうすることによって企業もメリットを受けられる。
国は、そういう方向に対策を持っていくべきである。
ちなみに、私の部屋には残念ながら冷房がない。