2010年2月9日火曜日

よく当たる信用調査会社の「危ない300社リスト」の中身

信用調査会社が配布、「危ない企業300社リスト」の中身とは

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1002/09/news016.html

デフレで企業の先行きに不透明感が漂う中、民間信用調査会社が東京都内で開いたセミナーが波紋を広げている。危ない企業300社を実名で公表し、その経営実態を解説するもの。会場で配布された「危ない企業300社リスト」の中身とは……。

[ZAKZAK]

 デフレで企業の先行きに不透明感が漂う中、民間信用調査会社が東京都内で開いたセミナーが波紋を広げている。危ない企業300社を実名で公表し、その経営実態を解説するもので、銀行の審査担当者ら約300人が出席した。夕刊フジは会場で配布された「危ない企業300社リスト」を入手。その驚愕の中身とは……。

出席者には「危ない企業300社リスト」が配布された

 セミナーを開催したのは、企業に深く食い込んで情報を取ることで知られる信用調査会社「東京経済」(東京)。例年、春と夏の年2回開いており、今回は2月4日に行われた。

 出席者には、危ない企業300社が実名で書かれた「独自リスト」が配布されたが、これがなかなかのスグレもの。

 2009年2月のセミナーで配布された300社リストには、サーパスブランドで知られるマンション分譲大手「穴吹工務店」(香川)や、不動産会社「ジョイント・コーポレーション」(東京)などが含まれていたが、いずれも経営破綻。リストアップされた300社のうち、「約50社が先月末までに破たんした」(東京経済)という。

 気になるリストはA4判10枚つづり。企業名、所在地、業種、年商、主力銀行などが記され、右端にはアルファベットの記号が並ぶ。Aは「資金繰り悪化」、Bは「社内人事抗争」、Cは「放漫経営」、Dは「取引先撤退」、Eは「債務超過」を表し、経営上のリスクがひと目で分かるようになっている。

業種別で最も多かったのは建設・土木関連

 今回、業種別で最も多かったのは建設・土木関連で、108社に上った。

 経営への影響を考慮して会社名は伏せるが、東証1部上場のゼネコンは「過小資本で金融機関の注目を集めている」、関西の土木会社は「市中に手形が出回っている」、九州の建設会社は「累積赤字が深刻」と記されている。

 次に多いのが不動産関連の28社。ジャスダック上場のマンション分譲会社は「取引先と支払いをめぐりトラブル発生」、東証マザーズ上場の不動産関連会社は「資金繰りが厳しく要警戒」、芸能人のCMで有名な不動産会社も「業績失速で金融機関が注目」と指摘されている。

 業績不振の流通業界からは6社がリスト入り。西日本の百貨店は「業績不振で取引先に緊張感」が漂い、九州の中堅百貨店は「先行き不透明感が深まっている」。

 さらに、大手パンメーカーは「債務超過寸前」で、有名アパレルは「大手アパレル会社に身売りを打診したが断られた」と生々しい情報が並んでいる。

 今回リストに載った300社のうち、上場企業は52社だった。

 企業の倒産件数は依然高水準で推移しており、帝国データバンクによると、2009年の年間件数は前年比4.9%増の1万3306件と、3年連続で増加している。

 セミナーを主催した東京経済情報部の伊藤剛部長はこう語る。

 「相変わらず建設、土木会社の不振が目立つ。ダム建設の中止など公共事業の縮小で中小だけでなく大手も厳しい。今春以降、危機的な状況になる会社が続出しそうだ。また、西武有楽町店の閉店が決まるなど流通業界の不振も際立っている。特に地方百貨店の動向が気になる」

 産業界は春まだ遠しといった感じだ。