2010年2月9日火曜日

【メタボ】腹囲リスク根拠なし。東大教授は腹囲基準を主張、利権?-厚労省研究班

【不可解】『3万人検証根拠ない』解明も反する基準を設定『医療予算多ければ厳しくすべき(東大)』 2010年2月9日火曜日
経済 科学>科学 ピックアップ

メタボ 腹囲の線引き困難 発症リスク急増根拠なし…厚生労働省研究班

http://osaka.yomiuri.co.jp/science/news/20100209-OYO8T00954.htm

 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の適正な診断基準を検証していた厚生労働省研究班(主任研究者=門脇孝・東京大教授)は9日、「診断の必須項目である腹囲によって、心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞の発症リスクを明確に線引きすることはできない」とする大規模調査の結果をまとめた。「男性85センチ以上、女性90センチ以上」という現在の腹囲基準の科学的根拠を覆す結果で、診断基準の見直し論議が活発化しそうだ。

 現在の診断基準は、腹囲に加え、血糖、脂質、血圧の3項目のうち二つ以上で異常があった場合、メタボと診断され、保健指導(積極的支援)の対象となる。

 研究班は、全国12か所の40~74歳の男女約3万1000人について、心筋梗塞、脳梗塞の発症と腹囲との関連を調査。腹囲が大きくなるほど発症リスクは増加したが、特定の腹囲を超えるとリスクが急激に高まるという線引きは困難だった。

 現在の腹囲基準は、学会などが集めた小規模の研究データを基に、「腹囲が基準を超えると、内臓脂肪が蓄積して生活習慣病のリスクが急激に高まる」という前提で設定された。

 同研究班は昨年、腹囲が男性85センチ、女性80センチを超えると、血糖や脂質、血圧などの検査データの異常が急激に増えることを明らかにしたが、今回の発症リスクとの関連では腹囲基準の妥当性は導き出せなかった。

 国際的には、腹囲を必須とせず、総合的にメタボを診断するのが主流。米国では、腹囲(男性102センチ以上、女性88センチ以上)は中性脂肪、HDLコレステロール、血圧など五つの診断基準の一つに過ぎない。日本の腹囲基準は、他の先進国に比べて、男性が厳しすぎ、女性は甘すぎると指摘されていた。

 ただ、今回の研究でも、肥満の人ほど発症しやすいことは示された。現行の基準でメタボと診断された人は、そうでない人に比べて発症リスクは男性で1・44倍、女性で1・53倍だった。

 門脇教授は「腹囲が大きいほど心臓病や脳卒中の危険は男女とも高まるが、基準として明確な数値を示すのは難しかった。結果を基に、最適な腹囲基準の議論をする必要がある」と話す。
(2010年2月9日 読売新聞)