引っ越しシーズン到来 住まい選びにぜひ知っておきたいUR賃貸住宅のあれこれ
http://moneyzine.jp/article/detail/183186石坂 美由紀 2010年02月21日 14:00
不動産 マンション 家賃 UR賃貸住宅 引っ越し
都市再生機構・UR賃貸についてよく知らない人は意外にも多い。引っ越しの際に候補に入れておいて損はなしのUR賃貸の魅力に迫る。
いよいよ春が近づき、引っ越しシーズン到来。ところで「UR賃貸住宅」をご存じだろうか。「人は、ふれあって育つ。」がコピーのCMなら分かる人も多いはず。旧都市公団で、独立行政法人の都市再生機構のことだ。現在全国に約77万戸の物件を有するUR賃貸だが、よく知らない人は意外にも多い。引っ越しの際に候補に入れておいて損はなしのUR賃貸の魅力とは何だろうか。
UR賃貸のメリットは、お金に関することがすべて明瞭な点だ。家賃以外の出費はほとんどかからない。まず礼金や仲介手数料は発生しない。初期費用は敷金と入居月の日割り家賃だけ。何かと物要りな引っ越し時の出費を軽減できる。敷金は3ヶ月分だが、物件によっては敷金を分割払いできる。
さらに更新料も不要だ。通常は契約更新の際、家賃1ヶ月分を納める場合が多いが、UR賃貸は更新料が発生しないのだ。
そして退去時のトラブルが少ないのもポイントだ。民間物件では契約期間未満で退去する場合、違約金が発生することもあるが、UR賃貸なら退去の際は2週間前に申し出るだけ。もっとも厄介な敷金返還についても、入居者とUR賃貸の負担区分が明白。甚だしい破損や汚れがない限り、かなりの敷金が戻ってくると期待できる。
加えて、保証人が不要で入居審査は単身でもファミリーでも、一定額以上の月収があればよい(図参照)。
これに満たない際は、家賃の50倍か100倍以上(所得により異なる)の貯蓄があれば問題ない。ほかに年単位の家賃代金を前払いする一時払い制度もある。
メリットをざっと挙げたが、「倍率が高そう」と思っている人もいるだろう。新築物件などは抽選になるが、基本は先着順。空き物件があればすぐに入居可だ。希望の物件が空いていない場合、電話で空き状況を日々確認。ちなみに記者も現在UR住まいだが、1~2ヶ月後に第2希望物件が空き、その数日後に「まず空きませんね」と言われた第1希望物件も空き、無事に入居できた。
「家賃設定がもともと相場より高い」(36歳独身男性)といった意見もある。たしかに相場より1~2割程度高い物件もあるが、広々とした間取りの物件が多いため家賃が相場より高めに感じることもある。家賃以外の出費はほぼない訳だから、トータルで考えると一口で高いとは言えない。相場に合わせて家賃の見直しも行われている。中には、マンション近くに大型スーパーを誘致、公園などの緑地整備、さらには湖まで造るといった規模の大きさが桁外れな物件も存在し、文字通り都市再生を実行している。
民間と比べて、一概にどちらが有利とはいえないのが現状だが、賃貸物件を探す際には、UR賃貸も候補に入れてみるといい。家賃相場が分かるだけでなく、UR賃貸を基準として他物件も探せば、物件を選り分ける際のひとつの判断材料になりうる。知って住まないのと知らずに住まないとでは大きな差になってしまうので、引越しを考えている人にはぜひチェックしていただきたい。