2010年2月10日水曜日

トヨタ問題発言を連発“大企業”だから?

2010年02月10日 14時25分 UPDATE
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KY発言を連発するのは“大企業病”のせい? トヨタの不可解な言動

http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1002/10/news049.html

トヨタ自動車の豊田章男社長が、日本のトップ企業とは思えないような発言を繰り返している。KY発言をする背景には「一連のリコール問題ぐらいでは経営が揺らぐことはないからでは」(アナリスト)といった声も出ている。

[ZAKZAK]

 「当社は絶対に失敗しない全能の存在だとは思わない」――。9日の新型プリウスのリコール記者会見で、トヨタ自動車の豊田章男社長(53)がメーカー経営者とは思えないような発言をし、報道陣をあぜんとさせた。「顧客の視点が欠如している」と前原誠司国土交通相が厳しく批判したのはつい先日のこと。強気の姿勢は、「一連のリコール問題ぐらいでは経営が揺らぐことはないからでは」(アナリスト)とみられている。

 9日の会見では、豊田社長がまず「多くのお客さまに心配をおかけし、改めておわびしたい」と陳謝。

 その後の質疑応答で、2006年にもリコールがあったことを指摘されると、豊田社長は「当社は絶対に失敗しない全能の存在だとは思わない」と答え、報道陣をあぜんとさせた。

 「自動車は人の命を預かる乗り物。その自動車メーカーの経営者が『全能ではないから失敗もある』なんてことは、口が裂けても言ってはいけない。失敗がないよう全身全霊を傾けるのが、自動車メーカーのあるべき姿だ」(業界関係者)

 実は、トヨタの不可解な言動はこれが初めてではない。新型プリウスのブレーキ問題で、トヨタ側から説明を受けた前原国交相が5日の閣議後会見で、「会社(トヨタ)側は大きな問題ではないとしているが、それは使う側が決めること。顧客の視点がいささか欠如している」と厳しく批判した。

 トヨタの強気の姿勢の背景には、「一連のリコール問題ぐらいでは経営は揺るがないという安心感があるのではないか。下手をすると経営が揺らぎかねないという危機感があれば、言動にもっと慎重になるはずだから」(アナリスト)とみられている。

 トヨタが多少の逆風ではビクともしないのは、強固な財務体質を誇るからだ。

 例えば、トヨタの内部留保(利益から税金や株主配当などを差し引いた残りの利益をため込んだもの)の手厚さはハンパではない。「トヨタの内部留保は十数兆円規模に達するとみられている。これはパナソニックやソニー、日産自動車などの3倍超の規模」(同)という。

 さらに、業績の回復力もずば抜けている。09年3月期に世界的な経済危機の影響を受けて、4370億円の連結最終赤字に転落。それが今期(10年3月期)は800億円の黒字に転換するというのだから恐れ入る。

 昨年5月時点の今期見通しは5500億円の赤字だったから、いかにトヨタの回復力がすさまじいか分かる。

 しかも、800億円の黒字見通しは、海外でのアクセルペダルとフロアマットをめぐる品質問題の費用と、それに伴う販売台数減など現時点で想定しうる影響額をすべて盛り込んだ数字となっている。

 今回の新型プリウスなどのリコール費用は織り込まれてなく「精査中」(佐々木真一副社長)の段階だが、業績にそれほど大きな影響はないというのが大方の見方だ。

 独立系の投資情報提供会社、TIWの高田悟シニア・アナリストは「海外でのアクセルペダルとフロアマットをめぐる品質問題では、リコール、自主改修の対象が700万台規模で、1700億円レベルのマイナス要因となっている。新型プリウスなどのように40万台レベルでは巨額なマイナスにはならないだろう」と分析。今期の最終黒字は「確保できる」とみている。

 新型プリウスの不具合は、ブレーキを電子制御するシステムが原因で発生。リコールではシステムの制御ソフトを書き換えるだけなので、「作業費用は1台数千円レベルだろう。総額20億円程度で済むのでは」(販売会社幹部)というから費用的には軽微なようだ。

 プリウスをめぐってはすでに「一部でキャンセルも生じている」(豊田社長)。また、購入予約したお客を引きとめるための値引きも行われているようで、東京都世田谷区の男性会社員は「(プリウスの)予約をキャンセルしようかと考えていることを販売店に伝えたら、追加で数万円の値引きを提示してきた。それでキャンセルはやめた」と明かす。

 また、人気のプリウスへの信頼が低下したことで、「ホンダや日産などのライバルが、そのすきをついてシェアを伸ばす可能性が高い」(アナリスト)との指摘もある。

 しかし、巨象・トヨタの前ではこうした事態もハエが止まった程度のことだろう。「大企業病」に陥っているトヨタに、顧客の視点を求めること自体、無理なことなのかもしれない。

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