藤崎駐米大使はクビにしろ
http://news.nifty.com/cs/item/detail/gendai-02044111/1.htm2009年12月27日(日)10時0分配信 日刊ゲンダイ
こんなウソつき野郎はクビが当然だ。クリントン米国務長官が、普天間基地移設問題で藤崎一郎駐米大使(62)を呼び付けたという一件は、なんと、藤崎大使のヤラセだった。相手国の大臣をダシにして、ありもしない事実をでっち上げるなど、到底許されることではない。
21日に米国務省で行ったクリントン長官との会談について、藤崎大使は「朝、急きょ呼ばれた。普天間計画の即時履行を求められた。大使が呼ばれるのはめったにない」と神妙な面持ちで解説した。これを受けて大マスコミは早速、「駐米大使、異例の呼び出し」「米国が強い不快感」と大々的に報道。日本と米国が戦争でもおっぱじめるかのように大騒ぎした。
ところが、これ、大ウソだった。翌日、クローリー国務次官補が会見で「呼んでない。(藤崎)大使が立ち寄ったのだ」と明かしたのだ。これが本当ならとんでもないし、仮に呼び出しが事実だったとしても、真っ先にマスコミに話すことが国益になるのか。政府内で話し合うのが筋だろう。外務官僚が勝手にやっていいことではない。
「本省の指示でなく、勝手にやったのだとすれば、一種のクーデターですね」
こう言うのは元レバノン大使の天木直人氏。
「本来なら、すぐに東京の本省に連絡を入れて対応を協議すべき内容です。それを真っ先にメディアに話したのだから怪しいと思いました。そもそも大使は、当該国の要人を呼んだり、自分が呼ばれたりするのが仕事です。駐米大使に就いて2年近くになるのに、呼び出しを『異例』という感覚も信じられない。自ら『仕事をしていない』と白状していることになる」
普段の藤崎大使は、ぶら下がり取材に応じないという。そんな人物が進んでペラペラと話したのだから、「何かある」と疑うのが当然だろう。ところが、大マスコミはウソつき男の発言を真に受けて“世論操作”の片棒を担いだのだ。とんだ赤っ恥である。
●過去にも事実をネジ曲げた前科
実は、この大使、過去にも事実をねじ曲げた“前科”がある。
「93年に在オーストラリア大使館で公金流用疑惑が発覚しました。当時、藤崎さんは会計課長で査察の責任者でした。ところが疑惑が広がらないよう、関わった職員の処分をせず、事実の隠蔽(いんぺい)を図ったのです」(外務省関係者)
慶大を中退し、69年に入省。同期には普天間問題や北朝鮮の拉致問題で有名になった田中均元外務審議官(現東京大学公共政策大学院客員教授)がいるが、「駐米公使時代、国防総省に日参するものの相手にされなかった話は省内で有名」(事情通)という。もともと能力には疑問符が付く男なのだ。
それでもアジア局参事官、北米局長などを経て08年4月に駐米大使に就いている。トントン拍子に出世しているから不思議だ。
「次官経験もない藤崎が『外交官最高のポスト』と呼ばれる駐米大使に就任したのは、“大蔵一家”の妻のコネが大きかったとささやかれています。妻の父親は大蔵官僚出身で元東京銀行頭取・会長、母親も大蔵OBで元明治製糖相談役の娘です」(外務省事情通)
駐米大使の収入は在勤手当だけで月約70万円。これに本給や配偶者手当、住居手当などを合わせれば年収3000万円は軽い。退職金も数千万円はもらえるだろう。まったくふざけた話である。
(日刊ゲンダイ2009年12月24日掲載)