リストラ急加速 雇用環境悪化に拍車
http://news.livedoor.com/article/detail/4501208/2009年12月13日10時00分 / 提供:ゲンダイネット
●7月以降49社が次々と…
再び企業のリストラが加速してきた。東京商工リサーチの調査で、上場企業の年間の希望・早期退職募集が7年ぶりに2万人を上回ったのだ。昨年と比べて2.7倍の急増である。企業数は186社(今月4日まで)、表には7月以降に募集した企業をまとめた。
1社あたりの募集・応募人数が最も多かったのは、アイフルとパイオニアの各1300人。次いで、メディパルホールディングス1000人、三洋電機845人、セディナとUSENの各600人、アコム550人。
昨秋のリーマン・ショックの影響で、今年は1~3月の募集増が著しかったが、いったん夏ごろは落ち着きを見せていた。しかし、10月になって再び募集企業が増え出し、同一企業で2度目の募集をかけるところまで出てきた。
「リーマン・ショック後は激烈な増加でした。そこまでのインパクトはないにしても、ここへきてデフレと円高のダブルパンチ。今後は年度末の期末決算に向けて、さらに早期退職の募集が増える可能性があります」(東京商工リサーチ・関雅史氏)
企業のリストラが加速すれば、雇用環境はどんどん悪化する。それは他のデータでもハッキリしている。
総務省発表の10月の完全失業率は3カ月連続の改善だったが、東京都に限ってみれば、今年7―9月期で5.2%と4年ぶりに5%を上回った。
失業による生活保護者も増えている。厚生労働省は生活保護世帯を、「高齢者」「障害者」「母子」などと分類しているが、その中の「その他の世帯」が1年前に比べ1.42倍に増加した。「その他の世帯」は失業など収入不足によるケースが多いという。
菅直人経済財政相は「年越し派遣村を作らせない」と力が入るが、足元の雇用対策は心もとない。
「失業している人の職探しや収入のない人の生活相談に1カ所で応じる『ワンストップ・サービス』を先月30日に試行的に実施しましたが、人手も足りないし、現場の自治体との調整不足は否めません。12月下旬にもう一度やるということですが……」(首都圏の自治体関係者)
補正予算ではワンストップ・サービス担当者を263人付けたが、そもそも補正予算審議は年明けだ。年末には間に合わない。
厳しい年の瀬になる。
【希望・早期退職を募集した上場企業49社(2009年7月以降分)】
◇会社名/募集人数/応募人数
◆菊池プレス工業/100/85
◆日本レップ/50/48
◆名古屋木材/10/10
◆船井財産コンサルタンツ/30/24
◆極東貿易/40/
◆YKT/20/24
◆ジャルコ/40/27
◆研創/50/18
◆日本パワーファスニング/――/39
◆曙ブレーキ工業/80/60
◆市光工業/85/30
◆新報国製鉄/15/19
◆タツモ/80/25
◆丸順/50/35
◆盟和産業/50/40
◆住江織物/30/18
◆三洋電機/――/845
◆コスモスイニシア/360/360
◆丹青社/180/180
◆ヤマト・インダストリー/15/12
◆永大化工/45/47
◆東京カソード研究所/100/89
◆近畿日本ツーリスト/200/192
◆日本電計/50/
◆フルキャストテクノロジー/100/206
◆アイフル/1300/
◆日本インター/80/71
◆パイオニア/1300/1204
◆図研エルミック/40/28
◆ウイルコ/120/120
◆カッシーナ・イクスシー/25/41
◆山一電機/60/59
◆ダヴィンチ・ホールディングス/10/9
◆日本ミクロコーティング/60/54
◆シスウェーブ/30/9
◆日創プロニティ/20/
◆アルバイトタイムス/100/101
◆不二サッシ/25/28
◆城南進学研究社/30/33
◆ダルトン/28/18
◆メルクス/25/24
◆アコム/550/
◆カラカミ観光/210/
◆御園座/10/
◆日東工器/30/2
◆高島/10/
◆ニッパンレンタル/30/
◆名機製作所/90/
◆セガトイズ/35/
※応募人数は結果公表分のみ
(日刊ゲンダイ2009年12月10日掲載)