ネット検索で脳イキイキ、米大学研究 認知症予防にも?
http://www.asahi.com/science/update/1202/TKY200912020153.html2009年12月3日8時11分
【ワシントン=勝田敏彦】インターネットになじみのない中高年がネット検索を続けると、意思決定や判断をつかさどる脳の中枢が活性化されることがわかった。認知症予防の手段になる可能性があるという。米カリフォルニア大ロサンゼルス校の研究チームが発表した。
チームは、インターネットを毎日使う人と、ほとんど使ったことがない人の計24人(55~78歳)を対象に、脳の活動を機能的磁気共鳴断層撮影(fMRI)で調べた。
その結果、ネットをほとんど使ったことがない人が、2週間のうち7日、自宅で1時間ほどネット検索をしただけで、毎日使う人と同じ程度、「中前頭回」など意思決定に重要な中枢が活性化した。
チームは「ネット検索のとき、大切な情報を一時的に覚えたり、絵や文から何が重要かをつかんだりすることが効果につながる」とみている。
とはいえ、ネット利用は良いことばかりではなさそう。
米オハイオ州立大の研究チームは4月、日記を書いたり、コメントをつけたりできる交流サイト「フェースブック」を利用している大学生は、勉強する時間が減り、成績も悪くなる傾向があるとの調査結果を発表している。
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ネット検索は「脳トレ」になる?
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0810/15/news045.html米大学の研究で、ネット検索は脳の機能を刺激し、向上させる可能性があることが示された。
2008年10月15日 10時05分 更新
コンピュータに詳しい中高年者にとって、インターネット検索は脳の機能を向上させる効果があるかもしれない。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校がこのような研究結果を発表した。
同校の研究者によると、インターネット検索は、コンピュータをよく使う中高年者において、意思決定と複雑な推理をつかさどる脳の重要な中枢部分を始動させる。Web検索活動は脳の機能を刺激し、向上させる可能性があるという。
研究チームは、神経に異常がない55~76歳の被験者24人をWeb検索経験者と未経験者の2グループに分けた。被験者にWeb検索と読書をさせて、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)で脳の活動を調べたところ、読書中はすべての被験者で言語処理、記憶、視覚にかかわる脳の部分の活動が見られた。
Web検索では、2つのグループに大きな違いが見られた。すべての被験者に読書中と同様の脳の活動が見られたものの、Web検索経験者は意思決定と複雑な推理を処理する脳の部分も活動していた。Web検索経験者は、ほとんど経験がない被験者と比べて、脳の活動が2倍に増えていたという。Web検索中の検索経験者の脳の活動は2万1782ボクセル(ボクセルはfMRIで測定される脳の活動の最小単位)、未経験者は8646ボクセルだった。
単純な読書と比べてインターネット検索は選択肢が多く、どれをクリックするかという意思決定が必要となり、それが脳の認知回路を働かせると研究者は述べている。「Web検索のようなシンプルな日常的な作業が、中高年者の脳の回路を強化するようだ。これはわれわれの脳が敏感であり、年を取っても学習を続けられるということを示している」
また研究者は、検索未経験者も、もっとインターネットを使うようになれば、検索経験者と同じ脳の活動パターンが見られるようになるかもしれないとしている。
この研究成果は次号の「American Journal of Geriatric Psychiatry」に掲載される。
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プレスリリース
http://www.newsroom.ucla.edu/portal/ucla/ucla-study-finds-that-searching-64348.aspx