胃洗浄廃液、胃がん発見に効果
聖マリアンナ医大教授ら研究…内視鏡検査補う
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=19594内視鏡検査の前に行う胃洗浄の廃液を調べると、胃がんを早期発見できる可能性のあることが、聖マリアンナ医科大の伊東文生教授らの研究でわかった。
洗浄の水圧ではがれ落ちる胃全体の粘膜細胞から、胃がんに特有の遺伝子の異常を検出できた。胃がんの2割以上を見落とすという内視鏡検査の弱点解消につながり、患者に負担の少ない診断法としても期待される。
内視鏡検査では、胃粘膜を覆う粘液が観察の邪魔になるため、内視鏡の先端から水を出して洗い流す。洗浄液は胃から吸引して捨てられるが、伊東教授らは、検査を受けた68人の洗浄液中のDNAを分析した。その結果、検査で早期がんが発見された20人は、胃がん患者に高率で見られるがん抑制遺伝子「MINT25」の異常も見つかった。
さらに、内視鏡ではがんを確認できなかった48人のうち、2人の洗浄液から、同じ遺伝子の異常が見つかった。検査で見逃されたごく早期のがんがあると見られ、今後、3か月ごとに検査を繰り返す。
(2010年1月18日 読売新聞)
用語解説
がん抑制遺伝子