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デジタル機器の中古品買い取りが活況、高く売れるポイントは?
http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20100128/1030891/2010年01月29日
中古ショップの買い取り制度を利用すれば、不要になったデジタル機器を手早く現金化できる。できるだけ高く売るために覚えておきたいポイントとは?(画像クリックで拡大)
長引く不況を背景に、中古品の買い取りが活気を帯びている。手持ちのパソコンやデジカメなどのデジタル家電を手軽かつ迅速に現金化できる手段として、買い替えのタイミングで利用する人が増えている。
そこで気になるのは、買い取り査定が落ちてしまうポイントと、高く買い取ってくれるアイテムが何なのかだろう。査定額を少しでも高くするにはどうすればよいのか、意外に高額で買い取ってくれるアイテムの傾向などを、秋葉原の専門ショップの担当者に聞いてみた。
iPodや中古ケータイなどの売れ筋商品ほど買い取り価格が高い!
中古品の販売と買い取りで知られるじゃんぱら 秋葉原4号店の北風大輔氏いわく、「誰でも知ってる人気商品ほど高値で買い取らせてもらう」と語る。入荷して早々に売れることが期待できる商品は、より高額な査定が付きやすいという。話題性の高い新製品や品薄で入手の難しい商品はもちろん、生産終了により希少価値の出てきたレア物も査定額は高くなる。
商品ジャンルでは、iPodを代表とする携帯音楽プレーヤー、iPhoneを含む中古ケータイ、ソニーのVAIOシリーズをはじめとした人気メーカーのノートPCなどが安定して高値が付きやすいという。
携帯音楽プレーヤーの代名詞となったiPodは、全般的に買い取り相場が高い。特に、タッチパネル式液晶を搭載した「iPod touch」や、薄型ボディー+大型液晶の定番モデル「iPod nano」は人気が高いので、買い取り価格も比較的高めに設定されている。
iPod touchは、新品で2万6000円前後で販売されている現行モデル「MC008J/A」が、じゃんぱらでは買い取り上限金額が2万円に設定されていた。型落ちの初代モデル「MA627J/A」でさえ、上限金額は1万2500円と高めだ。
iPod nanoは、かなり古めの第2世代モデルですら、上限4500円の買い取りだったのには驚かされた。iPodシリーズは世代を問わず需要が高いため、たとえ旧モデルであっても買い取り相場が下がりにくいという。
携帯電話も中古の主力商品の1つ。特に、iPhoneは買い取り価格が高くなる(画像クリックで拡大)
中古市場が盛り上がる携帯電話も、高額査定の付きやすいジャンルの1つだ。NTTドコモの「SH-01B」「P-01B」や、ソフトバンクモバイルの「933SH」など、最新モデルは特に買い取り価格が高い。
なかでも、販売数量が限られている限定モデルは高値の傾向が強い。2009年の発売直後に即完売したエヴァンゲリオン携帯「SH-06A NERV」や、チョコレートケータイ「SH-04B」などのプレミア的なモデルは、特に査定評価が高くなる。SH-04Bについては、買い取り価格が5万6000円という破格値だ。
家庭用ゲーム機本体は、人気タイトルの有無で価格が上下する
家庭用ゲーム機本体も買い取り条件のよい製品ジャンルの1つだ。ソフマップ買取センターの和田 大氏によると、「ドラクエ旋風が吹き荒れた2009年はニンテンドーDSが、モンハン人気の高まった2007~2008年はPSP(プレイステーション・ポータブル)が高値を付けた」と語る。誰もが知るキラータイトルが登場するハードウェアは、買い取り条件がグンとよくなるという。
1月下旬の取材時に高額買い取りをアピールしていたのが、ソニー・コンピュータエンタテインメントのプレイステーションシリーズだ。プレイステーション3で地デジ放送が録画できる専用チューナーユニット「torne(トルネ)」が発表されたのを受けて、関連ハードウエアの査定額が軒並みアップ。ソフマップでは、プレイステーション3本体「CECH-2000A」の上限買い取り価格が2万3000円、PSP本体「PSP-3000」は1万2500円と提示されていた。PSPは、トルネで録画した番組を転送して外出先で楽しめることが査定アップの要因になっている。
ソフマップでは、家庭用ゲーム機の買い取りを強化していた。特に、人気タイトルが登場する前後は買い取り価格が高くなる傾向がある(画像クリックで拡大)
反面、ニンテンドーDSは一時期の品薄感が解消し、買い取り相場も落ち着いてきた。ソフマップの和田氏は「ゲーム機の需要や品薄感によって、買い取り価格が短期間で20%前後上下することもある」と語るように、人気ソフト次第で相場が大きく変化するようだ。キラータイトルの登場前後がベストな買い取りタイミングといえるだろう。
買い取り査定時に減額されないためのコツとは?
これまで掲載した買い取り価格は、基本的に「買い取り上限価格」と呼ばれる。「新品同様のコンディションならば、最大この価格で買い取る」という意味だ。商品のキズや汚れの程度、付属品の欠品などによって、実際の査定価格は減額される可能性が高い。
Webサイトや店頭で掲示されている買い取り価格は、基本的に「上限価格」を表す。商品の状態や付属品の有無などで減額される可能性が高く、上限価格そのままで満額査定されることは少ない(画像クリックで拡大)
査定時に減額評価されないためには、以下のポイントが重要となる。
・購入時に付いてきた説明書などの付属品は、すべてそろえておく
・汚れが付いていたら、あらかじめ清掃してから買い取りに出す
・パスワードロックなどを解除して初期設定に戻しておく
特に、取扱説明書や接続ケーブルは細かくチェックされ、紛失や破損があると減額になってしまう。自分では大したものではないと思うような小冊子でも、1点あたり数百円~1000円は減額される。欠品が複数あるとトータルでは大幅な減額になるため、付属品はすべて集めておきたい。
だが、わざわざ欠品のパーツを購入してまで用意する必要はない。もしデジカメのバッテリーが欠品していても、わざわざ新品を購入して買い取りに臨むよりは、そのまま査定して引かれる方が安く済む。
ショップによって対応が分かれたのが元箱(化粧箱)の有無だ。ソフマップでは原則として減額なしで済むが(家庭用ゲーム機関連のみ減額対象となる)、じゃんぱらでは一律5%の査定減になってしまう。
説明書やケーブルの欠品は明確に査定減となってしまうが、大きく判断が分かれるのが本体のキズや汚れだ。ソフマップでは、査定する商品のキズや汚れの状態を大まかに「大」「中」「小」の3段階に分類して評価している。もし小さなキズが複数あっても、キズ1つ1つに応じて減額するのではなく、全体のコンディションを見て評価を付けていくという。
それに対し、じゃんぱらでは商品の状態をかなり細かいレベルでチェックしていた。査定時は、キズの1つ1つを細かくチェックシートに記述したうえで、総合的な状態を加味して減額を判断している。
これらの要因から、同一商品でも査定金額はショップによってまちまちだ。実際に査定を頼んでみると、ソフマップでは買い取り上限金額だったのに、じゃんぱらでは厳しくチェックを受けて-10%の減額評価を受けた商品もあった。たとえ同じショップでも、持ち込んだ店舗(=査定する担当者)によって買い取り査定が異なることもある。
両社とも、Webサイト上で買い取り価格を公開しており、ある程度の相場は事前に把握できる。両者を見比べてみると、一方では査定ゼロと出た商品でも、一方はしっかり査定金額が付く場合もある。買い取り依頼する前には、まずは自宅である程度の買い取り価格を調べておくのがよいだろう。
たとえ古くても、プレミア価格で買い取ってもらえる商品も!
ある程度古くて商品価値がないと判断されたものは、買い取ってもらえないものもある。容量の少ないハードディスクやブラウン管式のディスプレイ、数年落ちのプリンターなどが買い取り不可になりやすい。ネットオークションなどに出せば値段が付くこともあるが、基本的には粗大ゴミとして処分するしかない。
だが、あきらめるのは早い。ソフマップでは、パソコン本体とデジカメに限り、どんなに古い製品でも100円分のポイントを付与するサービスを実施している(ソフマップカード会員限定)。古いデスクトップPCを処分したいが、粗大ゴミに出すと処分費用がかかってしまう…という場合に注目したい。
もっとも、古い製品はすべて無価値というわけではない。販売終了などの理由で入手困難になった人気商品などは、意外な高値を付けるものもある。
代表的なのが、ソニーのロボット犬「アイボ」だ。一世を風靡したアイボもすでに生産終了となり、根強い人気があるにもかかわらず入手が難しくなっている。それを受けて買い取り価格も高値を付けており、最終モデル「ERS-7」は10万円の買い取り価格を付けるほどだ。
ソニーの「アイボ」など、生産終了になって入手が難しくなった話題商品はプレミア価格で売却できることもある(画像クリックで拡大)
だが、安心するのは早い。このような希少価値の高い商品ほど、付属品の欠品や商品状態が重視される傾向がある。未使用のまま保管していた場合は別だが、ある程度実用的に使っていたものは減額を覚悟しておいた方がよいだろう。
もちろん、このような高値が付くのはごく一部の商品だけ。アップルが1996年に販売したパソコン「twentieth anniversary Macintosh M4934J/A」は、全世界で1万2000台の台数限定だったにもかかわらず、現在の買い取り価格はわずか5000円。希少価値が高いからといって、必ず高値になるわけではない。
「できるだけ早いうちに売却するのが高額買い取りにつながる」という基本を忘れてはならない。
ショップ独自のイベントや特典を最大限利用したい
買い取り金額を確実に上げられる魅力的な手段が存在する。ショップが用意するイベントや特典を利用する方法だ。
じゃんぱらは毎週火曜日を「じゃんぱら買取の日」と設定しており、査定金額を通常の5%増しにするサービスを実施している。これ以外にも、毎月独自の買い取りクーポンを発行しており、査定時に提示すれば一定の増額が受けられる。
じゃんぱらでは、毎週火曜日は査定金額が通常の5%アップになる。土日の実施でないのが残念だが、毎週チャンスが巡ってくるのはうれしい(画像クリックで拡大)
月ごとに特定ジャンルの商品の買い取り金額をアップするキャンペーンも実施している(画像クリックで拡大)
ソフマップでも「5の付く日は中古の日」とし、毎月5の付く日(5日、15日、25日)に特典を用意している。商品の代金を現金で受け取らずに同店のポイントとして貯めた場合、通常は査定額が10%増しになるが、中古の日のみ5%アップの15%増しとなる。
ソフマップは、買い取りの代金をポイントで受け取った場合、査定額が10%増しになる。「中古の日」は15%増しになるので注目だ(画像クリックで拡大)
いずれも、特定の日に限られるのが難点だが、注目したい制度といえる。
ショップによって買い取り価格はどれぐらい違う?
今回、手持ちのデジタル機器を複数のショップに持ち込み、買い取り金額にどれぐらいの違いが生じるのかを覆面調査してみた。
用意したのは、筆者のコンパクトデジカメやiPodなど。購入してから実用的に使ってきたものばかりであり、状態はお世辞にも良好とはいえないものばかりだ。これらを同時期に査定してもらった。
▼ペンタックス「Optio W30」(防水コンパクトデジカメ)
ペンタックスの防水デジカメ。モデルはかなり古いが、防水デジカメは価格が下がりにくい。果たしていくらで売れるのか?(画像クリックで拡大)
購入から数年が経過しており、目立つキズが多い。角などにはぶつけたようなヘコミも見られる。動作に問題はなく、付属品は化粧箱を含めすべてそろっている。
■買い取り査定結果
・秋葉原A店…7500円(買い取り上限は7500円とのこと)
・秋葉原B店…6400円(買い取り上限は8000円とのこと)
・新宿C店…5000円(買い取り上限は8000円とのこと)
・郊外D店…3500円(買い取り上限は6500円とのこと)
多くのショップで、キズやヘコミの多さを理由に減額されてしまった。秋葉原や新宿の大手ショップより、郊外の中小ショップの方が厳しい結果となった。
じゃんぱらでの査定風景。細かな部分まで丹念にチェックしたうえで、査定額を弾き出してくれた(画像クリックで拡大)
やはり本体のキズやスレを指摘された。それなりに使い込んだものは、査定もそれなりに減額されてしまう(画像クリックで拡大)
▼パナソニック「LUMIX DMC-FX60」(コンパクトデジカメ)
パナソニックのコンパクトデジカメ。シリーズでもっとも人気のあるモデルで、まだ型落ちになったばかりの製品だ。期待が持てる(画像クリックで拡大)
つい先日まで現行モデルだったコンパクトデジカメ。パナソニックのLUMIXシリーズの中でも売れ筋のモデルだ。使用中に付いた細かい線キズ以外は良好な状態だ。付属品も箱を含めすべてそろっている。
■買い取り査定結果
・秋葉原A店…1万1000円(買い取り上限は1万1000円とのこと)
・秋葉原B店…1万800円(買い取り上限は1万2000円とのこと)
・新宿C店…1万800円(買い取り上限は1万2000円とのこと)
・郊外D店…1万1000円(買い取り上限は1万2000円とのこと)
ボディーに付いた細かなキズを減額対象と判断するかどうかで評価が分かれたようだ。中古品ゆえ、少々のキズは許容範囲とするショップもあれば、10%の減額査定を下すショップもあった。ただ、人気モデルだったこともあってか、各店とも買い取り上限価格は高めだった。
▼アップル「iPod nano MA477J/A」(携帯音楽プレーヤー)
世代の古いiPod nano。液晶パネルの小ささが古さを感じさせる。付属品も最小限しかないが、査定にどう響くのだろうか?(画像クリックで拡大)
かなり古めの2代目iPod nano。長期間使い込んだこともあって、全体的にキズだらけといった印象だ。付属品は最小限で、iPod本体以外にはUSBケーブルしかない。
■買い取り査定結果
・秋葉原A店…1320円(買い取り上限は1500円とのこと)
・秋葉原B店…2875円(買い取り上限は4500円とのこと)
・新宿C店…2000円(買い取り上限は4500円とのこと)
・郊外D店…買取り不可(買い取り上限は1500円とのこと)
付属品とキズの面で、かなり大幅な減額を受けたショップもある。iPodを人気ジャンルととらえているショップと、単純に発売からの年数で評価するショップでは、買い取り上限価格に大きな開きが見られる。iPodを重要視しているショップでは3000円近い査定が得られたのに対し、郊外のショップは買い取りしてもらえなかった。
ソフマップにて査定中の様子。さすがに人気のiPodとはいえ、本体のキズや汚れ、付属品の欠品が響いて減額になってしまった(画像クリックで拡大)
以上の比較結果を見ると、都心に店を構える大手中古ショップでは比較的甘い査定結果が多かったが、郊外のリサイクルショップでは査定が厳しめの傾向だった。競合店がひしめき合う秋葉原や新宿に足を運んだ方が、納得できる査定が得られる可能性が高そうだ。
(文/白石ひろあき)