小沢VS.検察 最終戦争の裏の怨念
http://news.nifty.com/cs/headline/detail/gendai-02044314/1.htm2010年1月19日(火)10時0分配信 日刊ゲンダイ
頂上決戦に突入した民主党の小沢幹事長と東京地検特捜部の最終戦争。今さら引くに引けない検察は、小沢逮捕まで視野に入れているらしいが、不可解なのはここまで検察が暴走する理由だ。小沢が聴取に応じないための方針転換というが、それにしても異様な小沢憎しである。その裏には一体、何があるのか。
●異様な執念の裏に「私憤」と「保身」
昨年末、都内である宴席が開かれた。集まったのは特捜部検事を含む法務官僚。この席で飛び交っていたのが、「小沢許さん」の“大合唱”だったという。
「法務官僚はここまで小沢を嫌っているのかと驚きました。とにかく“悪口”ばかり。外務省に出向中とみられる法務官僚までが『大訪中団の現地調整は大変だった。小沢は最悪だ』なんて漏らしていたのです」(事情通)
特捜部が昨年3月に小沢秘書を逮捕したのは、取り調べの全面可視化を嫌う法務・検察が民主党政権誕生を阻止するためとされる。しかし、民主党政権は誕生。そこで、標的を小沢自身に切り替えたという。
「これは組織防衛なんです。小沢は親分、田中角栄のロッキード事件をすべて傍聴。検察の横暴を『司法の自殺行為』と厳しく批判してきた。民主党政権で、小沢が法務・検察の人事や組織改革に乗り出すのは時間の問題。それを何としても防ぎたいのです」(司法ジャーナリスト)
もうひとつの理由が検事の功名心だ。
「特捜部検事はデカい山を狙う。その後の人事を左右するし、仮にヤメ検弁護士になっても箔(はく)が付くからです。喜んで飛び付いたのが小沢案件だったが、昨年の秘書逮捕は『国策捜査』の批判が続出。肝心の裁判も、検察側の証人が起訴内容を覆す証言をするなどメタメタです。このままだと経歴に箔が付くどころか、汚点を残すことになりかねない。それで『俺たちの将来が掛かっている。小沢を許すな』という暴走が始まったのです」(司法ジャーナリスト=前出)
ただ今回のイケイケ路線には現場も不安を感じているらしい。
「特捜部が狙う“本丸”の『水谷建設から小沢へ裏金1億円』の話は、佐久間特捜部長が06年、佐藤栄佐久・前福島県知事の収賄事件を手掛けた際に水谷建設関係者から聞いたといわれています。しかし、裏付ける材料が乏しく、『小沢をやるのは無理』というのがこれまでの見方だったのです。しかし、ここまできたら、今さら引けない。“玉砕”覚悟の捜査です」(事情通=前出)
検察が「私憤」と「保身」で動いているのだとしたら、どこぞの独裁国家みたいだ。
(日刊ゲンダイ2010年1月16日掲載)